「地震ごっこ」を不謹慎と思わないで!“心の傷”をケアするために親が留意すべき5つの子供の言動
1日5分でも「好きなこと」を楽しむ
それと併せて、ストレスや不安を和らげるケアも大切。冨川さんはゲーム、動画、食事、おもちゃなど「被災前にしていた好きなこと」を楽しむ時間を作ってほしいともしている。 「私が被災された方にお会いしてきて感じたのは、災害時でも息抜きすること、リラックスすることの大切さです。全てを我慢するのは酷ですし、ストレスもたまりやすいです。災害時だからこそ、好きなこと(好きなもの)は欠かさないであげてほしいですね」 例えば、子供が甘いものを好きなら、非常時に食べられるお菓子類を多めに備蓄しておき、食べられるようにする。アニメや漫画で好きなキャラクターがいるなら、そのぬいぐるみを用意しておくだけでも、安心感につながるという。 また、現代の子供にとってゲームや動画視聴は“日常の一部”になっているため、1日5分でも10分でも楽しめる準備があると良いとのこと。スマホや携帯型ゲーム機の「予備バッテリー」を複数用意しておくと、ライフラインが止まっても遊ばせやすいという。 冨川さんは「リラックスすることは大人にとっても大切です」と話す。親は平常時から家族を観察して、笑顔になる出来事やタイミングを知っておくだけでも備えとなるはずだ。
深刻な場合は助けを求めよう
ここまで親ができることをお伝えしてきたが、子供のストレスが深刻かもしれない、緊急の対応が必要かもしれないと感じたら、助けを求めることも考えてほしいという。メンタル関連の専門家や医療機関のほか、災害時は自治体が相談窓口を開設することもあるので、そうしたところを頼ってもいい。 メンタルは災害の発生直後は問題ないように見えても、後から不調になることがある。子供の様子に少しでも変化を感じたら、ストレスや不安を抱えていないか親は注視してほしい。 冨川万美 特定非営利活動法人MAMA‐PLUG(NPO法人ママプラグ)理事。青山学院大学卒業後、大手旅行会社、PR会社を経て、フリーランスに転向。東日本大震災での母子支援を機に、NPO法人ママプラグの設立に携わる。防災に対して、アクティブな姿勢で行動を起こす「アクティブ防災」を提唱し、全国各地でセミナーを行っているほか、東京都の「東京防災」「東京くらし防災」編集・検討委員なども務める。二児の母。
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