SNSや飲酒はOK?オリンピック選手村、「滞在中のルール」とは
抗議活動、政治的・宗教的・人種的なプロパガンダは禁止
この規則は2020年大会の前、黒人に対する差別や暴力に抗議するブラック・ライブズ・マター運動や、アメリカのアジア系住民(AAPI)に対するヘイトクライムへの抗議運動が高まりを見せていたことを受け、導入されたもの。 選手たちには、以下の場所で抗議活動や政治的・宗教的・人種的なプロパガンダ(思想や教義などの宣伝)活動を行うことが禁じられている。 ・試合会場 ・選手村 ・メダル授与式が行われている会場 ・開会式、閉会式、その他のセレモニーが開催中の会場 オリンピックの会場以外で行われる抗議活動については、現地の法律や規則に従って行うこととされている。
SNSへの投稿はOK
IOCが定めた規則では、選手たちは個人のSNSアカウントやウェブサイトを通じて、試合やその他のことについて発信することができる。 だが、これについてももちろん、従わなければならないルールがある。選手たちには、医務室やドーピング検査室など、特定のエリア以外での写真撮影や音声の録音、動画の撮影が認められている。だが、ほかの人たちのプライバシーを尊重することが求められており、相手の同意がなければ、撮影などをしてはいけない。 そして、当然のことながら、選手たちの投稿は、オリンピックの価値観に反するものであってはならない。つまり、差別的であったり、わいせつであったりしてはならない。 禁止されている投稿には、以下のようなものがある。 ・商業的なもの ・医務室での様子がわかるもの ・AIを使用、または生成AIによって作成したもの ・ライブ動画配信、2分以上の動画
飲酒やパーティの開催は禁止だが……
とはいえ、選手たちに「祝福すること」が禁じられているわけではない。選手村のディレクター、ローラン・ミショー氏は『スカイニュース』に対し、アルコールの提供はないものの、選手たちは試合の合間に村内の「スポーツバー」で、大会に参加しているその瞬間と、その場の雰囲気を共有することができると述べている。 また、パーティを開くことや喫煙、飲酒が禁止されているのは、選手村の中での話。ミショー氏は、パリ市内に出れば、好きなようにシャンパンを飲むことができると話している。 ちなみに、フランスでは1991年に制定された「エヴァン法」と呼ばれる法律に基づき、スタジアムなど多くの人が集まる場所でのアルコールの販売が禁止されている。そして、これまでに報じられているところによると、オリンピック委員会は、パリ大会をこの法律の適用外とするための申請を行っていないという。 つまり、観客たちも「お酒をのみながら観戦」というわけにはいかないとみられている(ただし、もともとVIPルームは「適用外」。飲酒が認められている)。