森保ジャパンが敵地で無敗キープ…GK鈴木彩艶のスーパーセーブがインドネシア監督を「敗因は先制点を奪えなかったこと」と悔しがらせる
新天地でレギュラーをつかんだ彩艶は昨シーズン途中に完全移籍へ移行し、さらに同オフにはセリエAへ復帰するパルマからのオファーを勝ち取った。 パルマで昨年8月に引退したキーパー大国イタリアのレジェンド、GKジャンルイジ・ブッフォン(46)の存在を引き合いに出しながら、スペインのスポーツ紙『AS』はインドネシア戦の直前に、彩艶の現状を「サッカー界の偉大なるレジェンドの一人からパルマを引き継ぎ、加入するやいなや先発の座を射止めた」と伝えている。 「彼はわずか数カ月で素晴らしいポテンシャルを示した。23歳以下のゴールキーパーでは、今シーズンのトップ5に入るといっていい。昇格組とあってリーグ戦ではすでに13失点を喫しているものの、約73パーセントを数えるセーブ率は悪くない数字だ。また、少しずつではあるものの、足下のパス精度も向上している」 森保ジャパンでは、昨年10月のチュニジア代表との国際親善試合からレギュラーを獲得。しかし、今年1月のアジアカップでは準々決勝で敗退するまでの全5試合で失点を喫するなど、安定感を欠くパフォーマンスは批判の対象になった。 なかには誹謗中傷に加えて差別的な言葉も含まれていた状況を受けて、彩艶は毅然とした態度とともにこんな言葉を残している。 「差別的な言葉といったものは、控えていただきたいと思います。ただ、自分としてはそこに負けるつもりはないし、結果で見返してやろう、という気持ちです」 言葉通りにシントトロイデンからへのステップアップを果たし、いまやパフォーマンスがヨーロッパ全体から注目を集める。パルマでの日々を彩艶はこう語る。 「サポーターを含めた熱の高さをさらに感じている。ミスをすれば当然叩かれるし、逆にいいプレーをすれば称賛される。日本ともベルギーとも違って本当に特殊というか、サッカーに対する熱量が本当にすごいし、そのなかで自分自身も強くなれている」 アジア最終予選が幕を開けた9月シリーズから背番号「1」を継承した彩艶が、前半の5試合で喫した失点は豪州戦でのオウンゴールだけ。4勝1分けと無敗をキープして勝ち点を13に伸ばして首位を独走し、同6で2位グループに並ぶ豪州、サウジアラビア、中国に大差をつける日本の最後尾でフル出場を続けている。 もっとも、開始早々にスーパーセーブを演じたインドネシア戦の後半にはクロスをキャッチし損ね、さらには飛び出しながらもボールに触れない場面もあった。身長190cm体重98kgの巨躯にまだまだ荒削りな部分とそれらを補ってあまりある潜在能力とを同居させながら、彩艶は一歩ずつ日本の守護神に近づいていく。