名古屋グランパスに超新星センターバック出現 ── 菅原由勢17歳
6月28日に18歳となる菅原は、2年後の東京五輪世代でもある。湘南戦が行われたShonan BMWスタジアム平塚へ視察に訪れていた、東京五輪の男子代表チームを率いる森保一監督は湘南の19歳・杉岡大暉、そして菅原がお目当てだったと明かしている。 今年はU-21日本代表として活動しながら、2年後の大舞台へ向けて強化を進めていくなかで、今月下旬には南米パラグアイ遠征が組まれている。13日に発表される代表メンバーへの大抜擢もあるかもしれないが、菅原はベルマーレ戦後に意外な言葉を漏らしている。 「明日(12日)からテストがあるので、勉強もしなきゃいけないんですけど。まあ、それは学生の使命でもあるので。楽しむというか、要領的に上手く考えて、と自分のなかでは思っているので、きついとは感じていません。自分が大好きなことをやっているので」 3学期の期末テストを乗り越えながら、圧倒的な攻撃力を誇る昨シーズンのJ1王者、川崎フロンターレをホームに迎える18日の次節が待ち遠しいとばかりに、菅原は無邪気な笑顔を浮かべた。 「まだまだ危ないシーンもありますし、チームのなかで自分が中心だ、というくらいの気持ちでやらないといけないと思っているので。もっと自信を深めていくためにも、もっと試合に絡んでいきたい」 昨秋にインドで開催されたFIFA・U-17W杯で、ベスト16進出を果たしたU-17日本代表のメンバーからMF久保建英(FC東京)、FW中村敬斗(ガンバ)、そして菅原と3人の高校生が今シーズンのJ1のピッチに立っている。 そのなかでも失点がチームの勝敗に直結する責任を背負い、周囲との緻密なコンビネーションも必要不可欠なセンターバックの仕事を楽しんでいるようにも映る菅原は、好スタートを切った名古屋だけでなく、日本サッカー界の未来をも輝かせる存在感を放っている。 (文責・藤江直人/スポーツライター)