戦火広がるウクライナからの代表参加に感謝 7年ぶり「国際フォーラム」に世界から将棋の代表が集う
【勝負師たちの系譜】 11月7~9日、東京の新旧将棋会館で、世界から将棋の代表が集まる『第9回国際フォーラム』が開催された。 【写真】同郷の女優、瀬戸朝香から花束を贈呈された藤井聡太棋王「瀬戸市出身で良かった」 このフォーラムは1999年に始まり、3年ごとに開催されてきた。前回はコロナの影響で、1年遅れの2021年にオンラインで開催され、台湾代表が優勝した。今回は7年ぶりの、対面による大会だ。 第1回の時に関わった私は、いつか50カ国から集まる大会に育てばいいな、と思っていた。今回の45カ国、51人の参加は、ほぼ目標に達したと言ってよいであろう。 初めて参加した国は、インドと中央アジアのウズベキスタン、ジョージアはじめ5カ国。何かで将棋を知ると、ネット対局だけで、アマ二~四段くらいにはなるらしいのだ。 特に印象に残るのは、この大会に戦火のウクライナからも代表が来ていたこと。 私はウクライナの選手に、私が以前出した和英の棋書を2冊進呈し、上達に役立てていただくことにした。 複数人数が出ている国は、日本の他は中国で、北京、上海、香港から1人ずつ。 1日目は予選リーグと本戦のベスト4が決まるまで。A組(上級クラス)でベスト4に残ったのは、 北京と上海の2人と、ブラジル、アメリカ(共に日系人)の4人。 ブラジルの浜公志郎さんは、私がコロナの直前に行ったブラジル名人戦での優勝者。この4人はすべてアマ四~五段クラスだ。 中国の教え子が残ったことで、4半世紀前から知り合いの指導者、北京の李民生、上海の許建東両氏は嬉しそうだった。 またB組の4人は、ノルウェー、メキシコ、スロバキア、日本と、私が普及で訪れたところばかりだったので、私としても嬉しいものがあった。 2日目の決勝戦は、北京の許諾さんと、アメリカのMichael Wang(マイケル・ワン)さんの対局となり、許さんの優勝。 ご褒美の藤井聡太竜王・名人との角落ち戦は、力が入りすぎて、残念ながら許さんが敗れた。 同時に開催された「将棋を世界に広める会」(NPO法人)主催の、世界子ども団体戦の決勝は、ベラルーシと、ドイツの少年が3人ずつ招待され、2―1でベラルーシの勝ち。現在は中国とベラルーシが、世界の二大強豪国である。