<W杯ラグビー>ジャパン主将のリーチが語るNZ連覇の可能性
4年に1度あるラグビーワールドカップのイングランド大会は、いよいよ決勝戦を迎える。現地時間の10月31日16時。ロンドンのトゥイッケナムスタジアムを舞台に、ニュージーランド代表とオーストラリア代表が激突する。 2大会連続4回目の決勝に挑むオールブラックスことニュージーランド代表は、2連覇となる通算3回目の優勝を狙う。 17日、カーディフ・ミレニアムスタジアムの準々決勝でフランス代表を62―13で一蹴。続く24日には、トゥイッケナムでの南アフリカ代表との準決勝を20-18と辛勝した。フランカーのリッチー・マコウ主将、スタンドオフのダン・カーター、センターのマア・ノヌといった100キャップ(国際間の真剣勝負への出場数)以上の面々らが軸になり、接戦を経てさらなる高みを目指す。 ファイナリストとなったのは3大会ぶり3回目というワラビーズことオーストラリア代表は、4大会ぶり3度目の王座を狙う。 4か国語を操るマイケル・チェイカヘッドコーチのもと、トゥイッケナムでの決勝トーナメントでクロスゲームを重ねてきた。18日はスコットランド代表から35―34で、25日にはアルゼンチン代表から29―15と白星を奪うなか、フォワード第3列の面々が接点でのボールの絡みで存在感を示した。 「やっぱり、ここまで来たらオールブラックスが勝つと思います」 決勝戦をこう見るのは、リーチ マイケル。今大会の予選プールBで3勝を挙げた日本代表の主将である。今季はチーフスの一員として南半球最高峰のスーパーラグビーを戦ったとあって、今度のファイナリストにはチームメイトや対戦経験のある選手も少なくない。 自らの競技生活やワールドカップの観戦歴を踏まえ、リーチはこう語るのである。 「最初、オールブラックスの優勝は難しいと思っていたんです。でも、準々決勝ぐらいから一気に変わった。バックローの動き、ノヌのパンチ力、スクラムハーフ(アーロン・スミス)のさばき。このあたりが全然、違ってきましたね。彼らは予選プールを3くらいの力で戦って、決勝トーナメントで8くらいのレベルに持ってきた。今週、10まで持って来れば…」 特に注視したのは、リーチがプレーするフォワード第3列の面々だ。 「マコウ、ジェローム・カイノ、キアラン・リード。プール戦ではタックルミス、ターンオーバーが多かったけど、準々決勝ではその3人が流れを変えました。ボールキャリー(保持者)としても前に出たし、タックルも決めて…観ていて楽しかったです。3人とも」と続ける。 決勝トーナメント以降のボトムアップの背景には、個人および集団の「経験」があると分析。前回王者のオールブラックスには、2007年のフランス大会で8強止まりという辛苦を味わったメンバーも多い。「敗北から4年後の勝利」という彼ら独自の背景を踏まえ、リーチはこうも続ける。 「キンちゃん(大野均、日本代表96キャップ)もそうですけど、経験のある選手は強いです。負けも経験しているから。そうならないために必死に頑張るんです。オールブラックスにはそういう経験のある人も多いから、周りの若い選手も引き締まる」 もちろん対するワラビーズにも、「オーストラリアのチーム相手には、たとえ50-0でも気を抜くな…。ニュージーランドでよく言われています。負けていても頑張る」と視線を向ける。