ジェームズ・マカヴォイが「ノー!」 『スピーク・ノー・イーブル』家族の異常性が垣間見える本編映像公開
12月13日(金) に公開される映画『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』より、本編映像が公開された。 【動画】『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』本編映像 本作は、『ゲット・アウト』『M3GAN/ミーガン』などで知られるブラムハウス・プロダクションズの最新作で、サスペンスの名手ジェームズ・ワトキンス監督が手掛けるスリラー。アメリカ人のベン一家が、旅先で意気投合したイギリス人のパトリック一家の自宅に招かれ、“異常な家族”のおもてなしに恐怖する姿を描く。 公開されたのは、両家族の子供たちがダンスを披露している最中に、ジェームズ・マカヴォイ演じるパトリックが突然過剰な態度をとる様子を捉えた本編映像。ベン(スクート・マクネイリー)とルイーズ(マッケンジー・デイヴィス)夫婦の娘・アグネス(アリックス・ウェスト・レフラー)と、パトリックとキアラ(アシュリン・フランチオージ)夫婦の息子・アント(ダン・ハフ)は、ふたりで練習していたダンスを親たちの前で披露することに。 カウボーイ風の衣装で身を包んだふたりは、カナダの民謡「Cotton Eye Joe」の軽快な音楽に合わせて、可愛らしく踊り始める。子供らしい姿にダンスを観ている親はほっこりするであろうシーン。しかし、アグネスが完璧に振り付けをこなす一方で、アントはどこかぎこちない。そんな息子の姿を初めは笑顔で見守っていたパトリックだが、その表情は次第に険しくなっていく。その横で、ベンとルイーズは子供たちが一生懸命に踊る様子を不安そうな表情で見つめている。 そして、ついに我慢の限界に達したパトリックは「ノー!」と大声で叫び、ダンスを止めさせてしまう。怯えたアントがその場で背を向けてしまうと、パトリックは笑顔で「気にするな。ひとりで踊れるだろ」と優しく声をかけ、アントにやり直しをさせようとする。その様子に耐えかねたベンとルイーズは、「曲を止めろ。子供なんだぞ」「あんな言い方ある?」と反論。しかしパトリックたちは「うちのしつけに文句か」と不満げな表情を浮かべて聞き入れない。ルイーズが「怒鳴らずに愛を持って接して」となだめようとするが、その直後、パトリックはさらにアントに向かって「部屋に行け!」とさらに怒鳴り散らすのだった。和やかな家族同士の交流の場であるはずが、気さくでありながら野性的なパトリックの異常さが徐々に際立ち、2組の家族が互いの“しつけ”についての価値観をぶつけ合う緊張感みなぎるシーンとなっている。 監督を務めたワトキンスは、本作のビジョンを明確にし、製作に取り掛かる際に数々のスリラー作品からさらにインスピレーションを得たという。具体的には、数々の受賞歴を誇るミヒャエル・ハネケ監督やリューベン・オストルンド監督の作品をはじめ、マイク・ニコルズ監督の『卒業』、サム・ペキンパー監督の『わらの犬』、ジョン・ブアマン監督の『脱出』などを挙げている。 これらの作品を参考にした理由について「同じスリラーでもこの微妙な特徴の違いは、私の作品へのアプローチにおいて大事なものなんだ。それぞれの登場人物を心理的に探求することや、彼らが現代の社会背景の中でどのようにお互いに影響を与えるのか、ということから、心理的な緊張感が生まれればいいと願っているんだ。このアプローチの方法に影響を与えた作品たちは、社会的交流における権力闘争を楽しみ、礼儀正しく微笑む人々が互いに感じ取る、抑えられた怒りを探求するために“文明化的”な生活を覆う膜を剥がしていくんだ」と説明。その言葉の通り、本作でも2組の家族が社会的な交流を通じてどのように影響を及ぼし合うかが描かれ、その中で生まれる心理的な緊張感や恐怖が、この作品の大きな魅力のひとつとなっている。 さらに、そのアプローチを巧みに取り入れた作品として、マイク・ホワイトが企画・製作・監督を務めたTVシリーズ『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』を挙げている。この作品は、贅沢なリゾートホテルで過ごす裕福なゲストたちの1週間を描き、彼らの表面上の完璧さが徐々に崩れ、その裏に潜む暗い側面が明らかになっていく様子を巧みに表現した風刺ブラックコメディドラマだ。 ワトキンスは、「マイク・ホワイトが作る“ドラマディー(ドラマ&コメディー)”が大好きなんだ。彼の作るシーンの数々は、登場人物同士のあらゆる社会的交流の恐ろしさを搾り出すような方法で、コメディーとドラマの間を行き来するんだ」と語り、本作もまた、恐怖だけでなくユーモアも味わえる作品を目指したことを明かしている。 <作品情報> 『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』 2024年12月13日(金) 公開