大成、日大明誠を4-3で撃破!東京の新鋭がシーソーゲームを制し準決勝へ
シーソーゲームを制し、東京の新鋭が初戦を突破した。 5月25日、千葉県のスポレクパークなどで令和6年度関東高校サッカー大会の初日が行われた。第2試合では1都7県の予選を1位で勝ち上がったチームが参戦するグループAの1回戦が開催され、初出場の大成(東京)は22年ぶり4度目の出場となる日大明誠(山梨)と対戦。2-0から追い付かれて延長戦にもつれたが、4-3で制して準決勝進出を決めた。 【フォトギャラリー】大成 vs 日大明誠 序盤からゲームは大成ペースで進み、多彩な攻撃で相手を圧倒。4-4-2の布陣でスタートすると、最終ラインから丁寧に組み立て、ダブルボランチの川村歩夢(3年)と伊佐地晴希(3年)がボールを配球。サイドアタックも機能し、左のMF水谷良吾(2年)、左のMF稲荷啓太(3年)が積極的に1オン1を仕掛け、クロスを最前線の伊藤雄淳(3年)と坂本青輝(3年)に届けていく。12分には川村がバー直撃のシュートを放つなど、積極的にゴールを狙っていくと、28分にスコアが動く。左サイドを打開した水谷の折り返しに伊藤が合わせて先手を取った。勢いに乗ると、終了間際の39分に坂本のクロスから伊佐地がネットを揺らしてさらにリードを広げた。 2-0とし、迎えた後半。立ち上がりから積極的に仕掛け、攻撃の手を緩めない。3点目を奪ってゲームをクローズさせたかったが、58分に一瞬の隙から失点してしまう。FW今井慶(2年)が右サイドからクロスを入れられ、FW大澤眞斗(2年)に頭で押し込まれた。これで一気に流れが変わり、守勢に回る展開に。自陣で相手の攻撃を跳ね返す時間帯が続き、65分にCKの流れから途中出場のMF国延柊庵(3年)に同点ゴールを許した。 その後はなんとか持ち直したものの、試合の行方は延長戦へ。大成は運動量が落ちた日大明誠を仕留めるべく、サイドから崩しにかかるが、思うようにクロスボールを入れられない。決定機を作れず、時間だけが経過していく。それでも86分に右SB高倉崇太(3年)のクロスから伊藤が決め、ついに勝ち越しに成功した。しかし――。試合はこれで終わらない。延長後半がスタートしてから3分後。93分にゴール前で粘った今井が巧みなターンから右足を振り抜かれ、再び試合を振り出しに戻されてしまう。 大成はなんとか決着を付けるべく。攻勢を仕掛けたが、効果的な攻撃を繰り出せない。誰もがPK戦を覚悟し、大成ベンチもPKを得意とするGK木曵悠斗(2年)を投入するなか、最後の最後にスコアが動く。100+2分、キャプテンのCB小池汐生(3年)からパスを受けた伊佐地がPA手前まで運ぶと、左足でネットを揺らして勝負に決着を付けた。 「前半は完璧で後半の入りも良かった。ただ、選手を交代したところでリズムが悪くなったので、本当に僕の責任です」。試合後に反省の弁を述べた豊島祐介監督だったが、大成にとっては関東大会初出場で初勝利。全国大会を通じても県外の公式戦では初の白星となり、新たな歴史を作ったことに変わりはない。 26日の準決勝では全国大会出場経験を持つ正智深谷(埼玉)と対戦する。苦しい戦いを強いられたが、この反省を踏まえてどのような戦いを見せるのか。次戦も大成の戦いから目が離せない。 (文・写真=松尾祐希)