稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾が注ぐ知らないことへの興味 『ななにー』で広げ続けた新しい地図と多様性
稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾が出演するレギュラー番組『ななにー』こと『7.2 新しい別の窓』が、『ななにー地下ABEMA』(ABEMA)へとリニューアルして早1年になる。2017年秋から新たな道を歩み出した3人にとって、『ななにー』は“新しい地図を広げる”という活動の象徴とも呼べる番組だ。 【写真】スーツを着こなす笑顔の香取慎吾 2018年4月より毎月7.2時間の生放送をしていた『7.2 新しい別の窓』では、国民的アイドルとして長くテレビの世界で活躍してきた彼らが、これまで足を踏み入れなかったインターネットの世界を開拓していく姿が映し出された。番組と連動する形でSNSデビューを果たし、視聴者には彼らに直接声が届くという新たな楽しみを提供。 共演者として番組を盛り上げてきたキャイ~ン、みちょぱ(池田美優)、EXITといった“ななにーファミリー”と呼べる存在もでき、ときには懐かしい人たちとの再会や今だから話せるホンネトークが披露され、彼らにはこれだけのNAKAMAがいるのだと噛み締めていく道のりでもあったように思う。 また、街に飛び出してロケを行ったり、あるいはパンデミックでリモートメインの放送となったりと、観ているこちらがハラハラするような状況にあったとしても、毎月見事に長尺の生放送をこなしていく彼らのエンターテイナーとしての底力を見せつけられた場面も。そうして環境がどんなに激変しても、スーパースターであり続ける彼らと「地上波テレビとは異なる形で会う」という新鮮な体験をもたらした『7.2 新しい別の窓』は、その役目を十分に果たしたことで、リニューアルされることに。 そして、2023年11月に始まったのが『ななにー地下ABEMA』だ。SNSでもしっかりNAKAMAと繋がり、インターネットテレビの世界にもすっかり慣れてきた3人。次はどこかに向かうのかと思えば、新しく地図を横に広げていくというよりも、まだ知らない“地下”にある世界をピンポイントに掘り下げていくような番組構成となった印象だ。 一昔前に比べて驚くほど多くのメディアが浸透し、さまざまな楽しみを私たちにもたらしたが、一方で“知っている人”と“知らない人”との距離が広がっていったようにも思う。ともすれば、「分断」なんていう言葉が脳裏によぎる瞬間も少なくなくなった。そんな多様な価値観が共存する社会で、あえて“知ろうとする人”になってくれているのが『ななにー地下ABEMA』なのではないだろうか。 当事者をゲストに迎えてLGBTQの現状についてトークしたり、整形経験をカミングアウトした芸能人になかなか聞くことのできない実情を教えてもらったり。ほかにも、マッチングアプリ、令和のハラスメント、仮想通貨の最新事情など、常に変化し続ける社会の“今”をキャッチアップしていく。世代も性別も越えて愛される3人だからこそ、マイノリティの声やまだまだ一部の人にしか知られていないことと、多くの視聴者と繋ぐことができる。 YouTubeで人気のクリエイターたちと3人が突如コラボを行い720万回再生を目指した企画は、番組を超えて大きな話題にもなった。また、香取が「推し」だというみらんちゃんを筆頭にバズりキッズが大集合したことも。子どもたちもインフルエンサーとして大活躍しているSNSの世界は、どこか新しくて知らない世界に感じられがちだが、もしかしたら彼らが10代のころからアイドルとして活躍してきたテレビの世界とそんなに遠いものではないのかもしれないなどと思ったりもした。