イーサリアムETF、承認の可能性は?
反論:肯定論
投資家やアナリストの中には、必ずしも5月の承認を求めているわけではないにせよ、否定的なメインストリームの味方に対して説得力のある反論を行う者もいる。 グレイスケール(Grayscale)の最高法務責任者が示唆したように、SECと発行者の間でやり取りがないからといって必ずしも結果が予測できるわけではない。 ビットコイン現物ETFの承認プロセスとは対照的に、今議論すべきことはあまりない。ビットコインETFの発行者とSECの間で交わされたやりとりのほとんどは、償還メカニズム(現金か、現物か)をめぐるもので、これはすでに解決済みの問題だ。 議論の余地がありそうなのは、SECがイーサリアムのネイティブステーキングを認めるかどうかだろう。一部の発行者による働きかけにもかかわらず、当初はステーキングが許可される可能性は低いというのが一般的な見方だ。 だがこの問題は、SECが解決できる簡単な問題だ。 さらに、却下された場合、申請者から訴訟を起こされる可能性が高く、発行者が強力な主張を展開できるであろうという強力な証拠がある。 ビットコイン現物ETFの承認は、ビットコインとシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物の高い相関関係にかかっていた。フィデリティ(Fidelity)、ビットワイズ(Bitwise)、コインべース(Coinbase)の分析によると、同レベルの相関関係はイーサリアムにも存在し、SECが再びこの問題を提起する可能性は低い。
今後の展望
1月のビットコイン現物ETFの承認は、大差ではなかった。5人のSEC委員のうち2人が賛成、2人が反対票を投じ、ゲンスラー委員長が賛成票を投じた。ゲンスラー委員長は、イーサリアム現物ETFにおいても、再び決定票を投じる可能性がある。 ブラックロック(BlackRock)が発行者として申請した575以上のETFのうち、これまでSECによって拒否されたのは1つだけ。イーサリアム現物ETFは2番目となるのだろうか? 市場は比較的高い確率で却下されると予想しているが、暗号資産投資家が長年学んできたことがあるとすれば、土壇場でのサプライズの可能性は決して排除されるべきではないということだ。 5月23日に終了する承認サイクルを過ぎると、イーサリアム現物ETFがアメリカ市場に登場するのは「いつ」の問題であり、「もし」の問題ではなくなるだろう。 時間が経てば、承認の根拠が却下の根拠を上回るだろう。その結果、仮に5月23日までに承認されなかったとしても、今後12~18カ月で承認される可能性は高いと思われる。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Shutterstock|原文:Crypto for Advisors: Are ETH ETFs Coming?
CoinDesk Japan 編集部