「これはツモりそう」Mリーグ1年半ぶり役満の二階堂瑠美 苦難のスタートとなった今シーズンを語る
麻雀プロリーグ戦・Mリーグの女流雀士にインタビューする本企画。最終回は美人姉妹として知られるの姉・二階堂瑠美(EX風林火山)が登場する。5日の対局では見事にMリーグでは約1年半ぶりとなる役満をアガってみせ、女流雀士としての道を切り開いてきた瑠美が、現在の麻雀界、そして世界進出をにらむこれからを語った。 【写真】足元は人気ブランドのスニーカー ユニフォームと同じ赤×黒カラーでお洒落 -5日の対局ではMリーグで約1年半ぶり、自身は初となる役満、親の四暗刻を見事にアガりました。どの段階で手応えを感じていましたか。 「七筒が暗刻になった時ですかね。あれ?これは?とは思いました。一筒も二索も六索も山にありそうだなーと思ったら六索が来て、おお~!と思いながらリーチしました!!あとは盲牌せずにみんなで楽しもうと。鳴きが頻繁に入って、亜樹さんも『ツモれそうだぞ』と言ってたみたいですが、私は何回目かの鳴きでツモ順が戻って来たので『これはツモりそう』と思っていました」 -このトップで一気に勢いに乗っていけるのでは。 「まずはうちのタカヤ(松ヶ瀬隆弥)ですね!チーム全体の流れが第一で、まずはタカヤです(笑)。私は序盤のマイナスを取り返していくだけですね」 -今シーズンを迎えるにあたってチーム、個人の目標はあったのか。 「チームの目標としては2度目の優勝。私と松ケ瀬さんが入って4人体制になってからは優勝経験がないので、4人で優勝したいねという話をしていました。私個人の目標は、チーム戦ということで勝手にMリーグルールに寄せる選択を重ねることが多かったんですが、今年はなるべく個人で打つ時と同じような感覚で打てるようにしないといけないという思いはありました」 -スタートは4戦連続ラス(4着)と厳しい形となった。 「4連続ラスについては誰が座ってもというか、カヤの外状態でした。勝負に行って負けたのではなく、勝負の土俵にも乗せてもらえないような状態だったので、あまり気にしてはいなかったです。自分が選択を間違えた結果だったら、結構気にすると思いますが、そうではなかったので。自分の選択以前に運的なものがあまり良くなかったですね。そういう面では復調してきたかなと思います」 -先に麻雀を始めた妹の亜樹さんが働いている麻雀店で働きだしたのが、麻雀を本格的に始めたきっかけだったとか。 「そうですね。もともと父親が雀荘をやっていたので、子供のころから麻雀に対してマイナスイメージがなかったんです。おじいちゃんとかおばあちゃんも家で麻雀をやっている家庭だったので、大人がやるゲームで難しいけど、その難しい部分も面白いゲームなんだろうなという印象でした。もともとパズルゲームなどは好きだったので、大人になるにつれて、やっぱり面白そうだなというので参加しましたね」 -そこから1年でプロに。 「365日、12時間くらいは毎日毎日打っていましたね。そこに安藤満プロがいらっしゃって“こういうことをした方がいいんじゃない”“こういうことをすると違うものが見えるんじゃない”という感じでアドバイスをいただきました。例えば、半荘で1回も鳴かないとか、リーチしないとか、ロンアガりはしないとか、制約を設けた状態での麻雀を楽しむみたいなことをいろいろしていました。そういうふうに勉強しながら楽しんでいるうちに、一発、赤ドラ、裏ドラがない競技麻雀の連盟ルールが面白いなと思ったんです」 (続けて) 「三色や一通などの手役って美しいじゃないですか。最初は純チャン三色が一番好きだったんですけど(笑)。他にも四暗刻や七対子など、いろいろな手役のつくり方や成り立ち…その最終形はともかく、途中経過がすごく面白いと感じました。もともとナンプレ(ナンバープレース)が好きだったので、自分で好きなように、いろいろとできるという面白さが一番大きかったです」(後編に続く) ◆Mリーグ 優勝賞金5000万円を9チームで争う。1チーム男女混成の4人で構成。レギュラーシーズンの上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。さらに上位4チームがファイナルシリーズに進み、優勝を目指す。ABEMAで全試合無料生中継中。 ◆二階堂 瑠美(にかいどう・るみ)1980年生まれ。神奈川県出身。日本プロ麻雀連盟所属。妹で同じくプロ雀士の二階堂亜樹の影響で麻雀を始め、約1年でプロデビュー。21年にEX風林火山よりドラフト指名を受け、Mリーグに参加。美しい手役作りと、純真で天真爛漫な打ち筋から「天衣無縫」とのキャッチフレーズも持つ。