《食道がんを疑う5つの症状》男性に多い食道がん。喫煙と飲酒、さらに夏に食べたくなるアレが好きな人も要注意
初期症状がほとんどなく、がんの中でも進行が早いといわれている食道がん。近年、芸能人でも公表する人が多く、特に男性に急激に増加している。 【画像】食道がんの原因や症状例 食道がんは他のがんに比べて、死因としてはそれほど高くないが、飲酒や喫煙などでリスクが高くなり、生活習慣に気をつける必要がある。また早期発見、早期治療が大切なため、症状は見逃さないようにしたい。食道がんの気をつけるべき症状について大宮エヴァグリーンクリニック、新橋消化器内科・泌尿器科クリニックなど、4つのクリニックの理事長を務める、医師の伊勢呂哲也先生に聞いた。
お酒を飲んで顔が赤くなる人は要注意
食道は咽頭、喉頭から胃の間をつなぐ管状の臓器です。長さは25cmほどあり、体の気管の後方に位置し、肺の直前を通り、心臓の前を横切るように体の中心の深い場所にあります。 食道はただ食べ物が通過していく臓器ではなく、食道の内側に平滑筋と輪状筋の二重の筋肉層があり、この筋肉層が収縮することで、食べ物を飲み込むことができ、飲み込んだ食べ物を胃へ送り込むことができるのです。 私たちの健康を支える「食べる」という行為に欠かせない重要な臓器が食道になります。 食道がんは、食道内の細胞ががん化することで発症します。 国立がん研究センターの調査(2020年)によると、食道がんで亡くなる人は年間約1万1000人。 罹患率の男女比でみると男性6:女性1の割合で圧倒的に男性に多いがんです。 これは食道がんの2大リスク、「喫煙」と「飲酒」がこれまで比較的男性の割合が高かったことによります。 特にお酒を飲むと顔が赤くなる人や毎日、飲酒する習慣のある人は食道がんのリスクが高くなると考えられています。 その理由は、アルコールが体のなかで分解されることによって発生する発がん性物質の1つ、アセトアルデヒドのためだといわれています。お酒を飲むと顔が赤くなる人は、アセトアルデヒドが分解できず、体の中に溜まりやすくなってしまうため、食道がんのリスクが高まるのです。 また、喫煙と飲酒の両方の習慣がある人は、まったくどちらもしない人と比べると食道がんのリスクが35倍高まるといわれているので、こういった習慣がある人は気をつけてください。 その他、熱いものや辛いものが好きでよく食べることも、食道がんのリスクが高まる原因になります。
【関連記事】
- 〈大腸がんの8つの初期症状チェック〉赤い便、黒い便、下痢・便秘…日々の体調チェックでわかる! 大腸がんの9割を占める「大腸ポリープ」のサインとは
- 通勤や授業が怖くなるほどの急な下痢、身悶えするほど苦しい便秘…日本人の5人に1人がなっている過敏性腸症候群の実態と対策
- 《逆流性食道炎を防ぐ5つの改善》成人の5人に1人が罹患する食道がんのリスクを高める現代病…食後すぐに横になる、辛いものが好き、肥満よりも気をつけたい悪習慣とは
- KIRINが免疫ケアの習慣化を狙う。濃くも薄くもないおいしさ、ブルーと白のパッケージ変更…「おいしい免疫ケア」の戦略とは
- 「ごはん」をもっと健康的に食べる! 「咀嚼」をコンセプトに開発されたはくばくの「タニタ食堂監修雑穀ごはん」を試食した!