瀬戸康史が英国の二人芝居に挑戦!堤真一とともに難解な台詞を紐解き人々の心模様を描く
読み解いて見つけた共感できること
それでは、作品からはどんなメッセージを受け取ったのだろうか。 瀬戸 堤さんもおっしゃっていましたが、堤さんが演じるお父さんはどうしてクローン人間なんて作ってしまったのかなと思います。クローンだからといって心は元の人間とは異なるわけですから、ロボットが大量生産されるようにクローンがどんどん作られることには、何か違和感をもってしまって、クローンには“心”がどんどん生まれていくみたいなイメージがあります。クローンについてはイメージでしかないですが、どう生きていくかが大事だと思いました。どんな親のもとに生まれたとしても、どんな生活を送るかで変わるかも知れない。 人間がやってはいけないことを描いているような印象を受けたのですが、この作品ではクローン人間を通して深いテーマが描かれていて、僕が最後に演じるマイケルという人物がポジティブな生き方をしていることに、すごく共感しました。彼の育った環境が良かったからとか、幸せな家庭で育ったから、そういうポジティブな心を持っているということはもちろんあると思いますが、自分自身でいろいろなことを良い方向へ転換できることには、僕自身もそういう生き方をしたいですし、台本を読み終わったときに希望が持てたのは彼のおかげだったと思います。 彼が発する言葉からは、作品を通して自分が感じたことを表現していこうとする意思を感じた。そして、舞台で演じることへの醍醐味にも言及した。 瀬戸 舞台では、映像作品よりもやれることがたくさんあります。作品と向き合うと同時にスタッフの方といる時間も長いので、関係性をより深めることができるのではないかと思います。僕にとって舞台作品に取り組むことは筋トレをしているような感覚です(笑)。 映像も舞台も、どちらも好きだという気持ちはもちろんあって、お芝居が何か変わるかと聞かれると、撮影現場や劇場など、演じる現場に合わせて声量が変わっているだけで、自身の何かを変えているつもりは全くありません。お芝居をするという意味ではどちらも同じなので、どちらかの一つを選ぶという考えには至らないですね。