設備工事のスミ設備 ベトナムに進出 技能実習生、帰国後の活躍支援
集合住宅の給排水など設備工事の設計や施工管理を行うスミ設備(本社名古屋市南区三吉町5の31、鷲見康雄社長)は、本業の設備工事でベトナムに進出する。技能実習生として日本で働いていた社員が帰国後も、日本で培った技術を生かしてキャリアアップできるようにベトナムで事業化することを決断。2026年2月期までにベトナム・ハノイ中心の工事で新規受注をめざす。(武居皇弥) ベトナムの現地法人「スミ設備ベトナム」(ハノイ市)は、スミ設備で実習していた元技能実習生を含む7人のベトナム人で運営されている。現在は親会社であるスミ設備の業務の支援拠点として位置付けられている。日本の施工管理業務の一部を担っている。CAD(コンピューター利用設計システム)を駆使し、給排水の配管を敷設する図面を作成する作図や、利用する材料などから施工費用を算出する積算業務などだ。 新たに現地法人を中核として、ベトナム市場での設備工事の受注をめざす。当初は一戸建て住宅や小規模な店舗などで実績を積み上げる。将来的には日系企業がベトナムで開発するマンションなど大型物件の設備工事の受注を狙う。
すでに実際に設備工事を行う現地資本の施工会社2社と連携している。 スミ設備は18年、ベトナム人技能実習生が日本での実習終了後も身に付けた技術で活躍できるように、ベトナムに駐在事務所を開設。ベトナム人のスキル向上に合わせて、日本で行っていた作図業務などを移管してきた。 同社は1946年の創業。主にマンションの設備工事を手掛けている。従業員数は36人。 牛永具宏取締役はベトナムでの設備工事事業について「日本は人口減少で市場が縮小しているが、ベトナムは人口が増加しており、事業拡大の可能性が大きい。28年2月期には黒字化を目指す」と話している。