警察官の彼と結婚する娘。「仕事をやめて家庭に入ってほしい」と言われているそうですが、そんなに「高収入」なのでしょうか?
警察官は公務員に分類され、安定した職業のひとつとしても知られています。もし結婚して妻が家庭に入ることになった場合、夫の警察官だけでの年収で暮らしていけるのか気になる方もいるでしょう。 そこで今回は、警察官の平均年収を民間企業と比較して、妻が家庭に入った場合でも生活していけるのかについて解説します。警察官として年収を上げる方法もご紹介しているため、参考にしてください。 ▼「公務員は安定している」って本当? 定年退職の割合や退職金の平均額を教えて!
民間企業の平均年収
国税庁の2022年の民間給与実態統計調査によると、民間企業に勤める方の平均年収は457万6000円となっています。性別によっても異なり、男性では563万3000円、女性では313万7000円と男女でも250万円程度の年収差があるようです。
警察官の平均年収
総務省の2022年の地方公務員給与の実態調査によると、地方公務員として働く警察官の平均年収と内訳は表1の通りです。
※総務省「令和4年地方公務員給与の実態」を基に筆者作成 警察官の年収は、民間の企業の平均年収と比べると270万円程度多いことが分かります。また、警察官の年収は勤続年数や学歴によっても変動し、勤続年数が長く、高卒よりも大卒の方のほうが年収が高い傾向にあるようです。 また、総務省の2022年の家計調査では、2人以上の世帯の毎月の生活費は29万865円となっています。仮に上記の年収をもらっているとすると、毎月の生活費を引いても毎月30万円程度は手元に残る計算であるため、結婚して家庭に入った場合でも十分に生活していける可能性があります。
警察官が年収を上げる方法
警察官が年収を上げる方法を3つご紹介します。現在警察官で働いている方や、これから警察官を目指そうとしている方も参考にしてください。 ■昇格試験に合格し階級を上げる 現在警察官として働いている方は、昇格試験に合格して階級を上げれば年収アップが期待できます。おもに以下のような階級が設けられています。 ・巡査 ・巡査長 ・巡査部長 ・警部補 ・警部 ・警視 ・警視正 ・警視長 巡査からスタートし、昇格試験に合格すると巡査長、巡査部長などに階級を上げていくことが可能です。昇格試験を受けるためには勤務実績が求められるケースがありますが、学歴などは問われません。そのため、高卒や大卒ともに実力と努力次第で試験を突破できる可能性があります。 また、公務員である警察官の場合、勤続年数が長いほど毎月の給料に影響する号級が上がっていくため、昇格試験も視野に入れつつ同じ職場で長く働くようにするとよいでしょう。 ■国家公務員の警察官になる 国家公務員の警察官の場合は最初からある程度の役職についた状態でスタートするため、地方公務員の警察官よりも年収が高い傾向にあります。国家公務員の警察官は「キャリア組」とも呼ばれ、昇進スピードも早いため早期の年収アップも見込めるでしょう。 ただし、国家公務員の警察官は毎年の採用枠は10人程度に対して、応募数は多く倍率も高いため、地方公務員の警察官よりも就職するのは難しいと考えられます。狭き門ではありますが、これから警察官を目指している方は、キャリア組の国家公務員の警察官も検討してみてください。 ■地域手当の厚い地域で採用される 地域手当が充実している地方公務員の警察官を目指す方法も、年収アップが期待できる方法のひとつです。例えば、警視庁で採用された場合は20%の地域手当が支給されますが、勤務する自治体によっては地域手当が10%であったり含まれていなかったりするケースもあるようです。 仮に毎月の給料が30万円だとすると地域手当が20%の場合は6万円も支給されるため、地域手当をもらっていない警察官と比べると同じ階級でも年間で72万円も年収差が生まれてしまいます。 同じ県でも自治体により地域手当の額は異なるため、地方公務員の警察官を目指している方は、地域手当も考慮してみるとよいでしょう。