【高校サッカー選手権】3年ぶりの王座奪還を目指す桐光学園、苦しみながらも準決勝へ「やってきたことでどう勝負できるか」
10月26日、第103回全国高校サッカー選手権神奈川予選2次予選・準々決勝が行われた。インターハイ全国8強の桐光学園は三浦学苑と対戦、相手のパワーに苦戦しながらも1-0で勝利し準決勝進出を決めた。試合後、桐光学園・鈴木勝大監督にお話を伺った。 【フォトギャラリー】桐光学園 vs 三浦学苑 ―――まずは試合を終えての感想をお願いできますか? (一瞬遠くに目をやった後、フーッと吐き出すように)いやー、もうほんと苦しい試合でした。ラウンドアップできたことと、ゼロでゲームを終えられたということ以外は、ウチらしい良さが出てないので、そういったところをもう1回修正していかないと、三ツ沢では桐光らしさが出せないかなと思います。 ―――ーまるで桐光学園の御株を奪うかのように三浦学苑が立ち上がりから積極的にきました。 三浦は元々そういうチームですし、今日も、前回の鎌倉もそうですけど、やっぱり本当に死に物狂いで来るところは、僕らも学ぶべきものがありましたし、今日の三浦からもああいうハードワークする、決してこう突出した選手はいないですけど、チーム全員が鍛えられて、良い守備から良い攻撃につなげていく素晴らしいチームだということは感じました。 ―――ーそんな三浦学苑に対して自由に動けず、各選手の間が開きすぎていつものような距離間で戦えていないように感じたのですが? もう前半からその距離感がやっぱり気になってたんですけれど、その辺の修正がうまくゲーム中できなかったっていうことが 1つ 来週に向けての修正点だと思いますので、その辺のところをしっかり改善していくっていうことをやっていかなきゃいけないかなと思います。まさにそこが1つ大きなテーマというか来週の課題だと思います。 ―――ーそんな状況の中で杉野選手と青谷選手のCBコンビは今日も存在感を見せていました。 ここ2試合、ほんとにチームの先頭に立って杉野と青谷ですけど、あそこ(攻撃)の鍵を相手に与えないように、南京錠かけてやってくれています。まだまだ杉野も青谷も完璧ではないですけど、やっぱりこうチームを勝たせようという、そういう闘争心とか執着心とか、目つきとか表情とか、そういうものは選手権にふさわしい立ち振る舞いでやってくれています。 ―――ー後半12分、伊藤選手に変えて12番の笠羽選手を投入してフォーメーションを変えてからボールが繋がって流れができたようですが。 サイドのスペースを相手のツートップが使ってきて、そこの受け渡しがスムーズじゃなかったので、ちょっとスペースを埋めて安定感をもたらせて攻撃につなげていきたいと思って、相手に対して変化を与えるっていうことも含めて、そのジャッジをしました。 ―――ーしかし、攻撃に関しては最後まで追加点が奪えませんでした。鎌倉戦もそうでしたが、流れの中からの得点が生まれていません。 攻撃の厚みがやっぱりちょっと足らない。やっぱり、もっとウチのやり方としては、サイド攻撃っていうところが少し停滞してるかな?コンビネーションとか。(我々も)やはり調子の良い選手とか、そういったところも踏まえて見ていかなきゃいけないかなと思います。55人の部員がいますので、そこは誰かが欠けてクオリティが落ちるのではなく、誰が出ても変わらない桐光学園で居続けなければいけないと思ってます。 ―――ー鎌倉戦に続いて丸茂選手が決勝点を挙げました。エースとしてしっかり結果を出せていると思いますが、監督としてはどのように感じてますか? 「怪我から復帰して、少しずつコンディションは戻ってきていますけど、まだ僕のベストな丸茂は今日も見れなかったので、もっともっとトレーニングと本人の意識が上がって来なければ…もう試合も復帰してからだいぶ出てきてますので、本人も本来の良さっていうのをしっかり出して欲しいと思ってます。 3回戦の鎌倉、この日の三浦学苑はともに怖がらずに桐光学園に向かっていった。それに対して慎重に、そして丁寧に対応していた桐光学園。リーグ戦ではチャレンジャーの如く、ガムシャラに向かっていた桐光学園の選手たちも一発勝負の選手権予選では、「緊張」という言葉の裏側で知らず知らずの内に受け身となっているのかもしれない。 「チームとしてやる方向性をしっかり示さなきゃいけないですし、 新しいことはやりませんので、やってきたことでどう勝負できるか。やっぱり彼らの自主性、彼らのチームワーク、そういうものをもっともっと上げていかなきゃいけない」 3年ぶりの王座奪還に向け桐光学園は11月4日に行われる準決勝で横浜創英と対戦する。 (文・写真=西山和広)