肝っ玉母ちゃんが鍛えた“泣き虫ゆうじ”の成長記録「西田有志はベンチで踊っていればいい」辛辣エールは愛情の裏返し「私たちもさりちゃんが大好き」
ジェイテクトとの不思議な縁
バスケットボールの選手だった両親譲りの精神力に加え、チャンスを引き寄せる運も持つ。高校卒業後に進んだジェイテクトとの出会いも、小さな偶然が縁をつないだ。 「同世代の息子が同じ大会に出るから」と試合会場を訪れたジェイテクトのスタッフは、ドカンドカンと高い打点からパワーみなぎるスパイクを打ち付ける少年に度肝を抜かれた。海星高は全くのノーマークだったが、「すぐに見たほうがいい」とチーム内で動画を共有した。 西田家としても偶然が重なった。6歳上の兄が、たまたまジェイテクトで働いていたのだ。バレーボール部があることすら知らなかったが、有志の将来性を高く評価し、「高校卒業後に来てほしい」と熱心な誘いを送られるうち、選手として成長するには最適の環境であるようにも感じられた。 何より、その誘いに突き動かされたのは、他ならぬ有志だった。 後にジェイテクトや日本代表でも事あるごとに「あのまま大学へ進んでも宮浦さんには追いつけないと思った」と口にしてきたように、前を行くライバルに追いつくためには、同じ道を歩んでも勝ち目がないと思っていた。だから迷わず「ジェイテクトに行きたい」と決断することができた。 その選択は吉と出る。 内定選手としてチームに合流すると、直後から出場機会を得て活躍。“期待の新星”として取り上げられることが飛躍的に増えていった。 ただ、「海外に行きたい」と言い出す息子とは異なり徳美さんは元アスリート視点で息子の立ち位置を的確に分析していた。 「有志が加入してから(チームが)勝てないということは、有志にあれだけ打たせることがバランスを崩しているということ。私らはバスケでチームプレーをやってきているから、わかるんですよ。点数を取って、本人は気持ちいいかもしれないけれど、結果的にそれも独りよがりで他のところがうまく回っていない表れかもしれない。だからスタッフの人にも『遠慮なく、いつでも有志を外してもらっていいですから』と言っていました」
【関連記事】
- 【秘蔵写真】「ぷにぷに超カワイイ~」ヤンチャ坊主になる前の西田有志ちびっこ時代「すげー飛んでる小学生時代」「海星高の写真には高橋藍の兄・塁の姿も…」頼れる日本のエースになった今と比較して見る(100枚超)
- 〈あわせて読む→前編〉“ヤンチャ坊主”西田有志を育てた肝っ玉母ちゃんとマジメな父「タバコ吸いたいなら吸え」悪さしてもバレーボールだけは一生懸命だった
- 【妻の本音】「西田有志の妻、と言われるのは嫌です(笑)」古賀紗理那が語る“文句ナシのMVP”に選ばれるまでの猛練習「紗理那は才能だけじゃない」
- 【衝撃秘話】「お前、何笑っとんねん」高橋藍を激怒させた相棒セッター…高校時代の高橋藍はとんでもなく“負けず嫌い”だった「目標は常に高いところに」
- 【話題】なぜ同じ時代に…男子バレー“2人の最強リベロ”に非情な通告「どちらも世界レベル。でも1人しか選べない」小川智大が漏らした山本智大への本音