キーウ周辺で最大の発電所が破壊、ロシアのミサイル6発命中
(ブルームバーグ): ウクライナの首都キーウの周辺で最大の発電所が、ロシアのミサイル攻撃で破壊された。ロシアは手薄になったウクライナの防空につけ込み、新たな攻勢を仕掛けている。
ウクライナ国営電力会社ツェントルエネルゴのアンドリー・ホタ監査役会長によると、首都キーウの南約45キロに位置するトリピルスカ火力発電所が攻撃を受け、タービンホールが炎上した。匿名を要請した被害状況に詳しい関係者によると、11日朝に発電所は6発のミサイルに被弾した。
リトアニアを訪問中のゼレンスキー大統領は11日、攻撃を受けた地域を挙げつつ、「われわれは防空について話す必要がある。現時点で最大の課題だ」と述べた。ツェントルエネルゴのホタ氏は、攻撃により同社の発電は「破壊された」と説明した。
弾薬と兵力の不足に悩むウクライナに対し、ロシアはエネルギーインフラへの攻撃を強めている。これは全て、戦争が3年目に入り終わりが見えない中で、ウクライナ軍の戦力が困窮していることを物語る。
ウクライナ議会は同日、動員法案を可決。登録規則を厳格化するとともに兵役免除の対象を狭め、兵役逃れに対する罰則を導入するもので、兵力の補充を狙う。複数の議員によると、同法案の議論は紛糾したが、定数450の議会で283人が支持した。緊急性が高まっていることの表れとみられる。
原題:Russia Destroys Largest Power Plant in Ukraine’s Kyiv Region (2)(抜粋)
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Volodymyr Verbianyi, Aliaksandr Kudrytski