来年度予算案115.5兆円と過去最大、歳出平時化遠く-税収増で歳入改善
財務省によると、日本の公債発行残高(25年度末)は1129兆円と過去最大を更新する見通し。対国内総生産(GDP)比では179%と今年度から改善を見込むものの、依然として高水準にとどまっている。
修正も想定
衆院で与党が過半数割れする中、政府予算案の成立へ野党の協力は欠かせない。国民民主党の要望を受け入れ、来年度税制改正大綱で「年収の壁」の103万円から123万円への引き上げを決めたが、年明けも継続協議となった。壁がさらに引き上げられれば税収減につながる。日本維新の会が主張する教育の無償化に配慮すれば、歳出増は避けられない。野党に譲歩することで予算案の修正も想定される。
野党からは早くも予算を巡る発言が相次いでいる。国民の玉木雄一郎代表(役職停止中)は25日、X(旧ツイッター)で、税収が6年連続で過去最高を更新する見込みだと指摘。「年収の壁」の178万円への引き上げは「十分可能である」ことを示唆したとして、今後も与党側に実現を求める構えを示した。
一方、維新の吉村洋文代表は27日の記者会見で、税収増を踏まえた国家運営の重要性について触れ、壁の引き上げに賛成の立場を示した。その上で、教育など投資すべきところには投資しながら「歳出改革をやるべきだ」と述べた。
--取材協力:横山恵利香、広川高史、照喜納明美.
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Takashi Umekawa