川崎汽船、経常利益6割増!株主への追加還元も検討
川崎汽船は2日、2024年4―6月期連結決算を発表した。経常利益は前年同期比59%増の748億円と大幅増益だった。コンテナ船の短期運賃上昇により、持ち分法適用関連会社オーシャンネットワークエクスプレス(ONE)が運営するコンテナ船事業の利益が増加したことが寄与した。通期の連結純利益予想を2100億円に上方修正したことを受けて、追加の株主還元を検討していることも示唆した。
4―6月期の売上高は21%増の2676億円と増収。ドライバルク事業と自動車船事業の輸送需要が堅調だったため、営業利益も58%増の307億円と大幅な増益だった。純利益は97%増の725億円。
コンテナ船事業は、欧米の旺盛な個人消費により荷動きが回復。中東情勢に起因する喜望峰経由の迂回(うかい)ルート利用で船腹需給が引き締まり、一部地域でのコンテナ不足も重なり短期運賃が上昇した。ONEからの持ち分法投資利益は64%増の378億円に膨らんだ。
セグメント別経常利益は、コンテナ船や自動車船などで構成される製品物流は50%増の664億円となった。そのうちコンテナ船事業は71%増の410億円。ドライバルクも5・4倍の76億円と大きく改善。エネルギー資源は一過性の要因で43%減の12億円にとどま った。
6月末時点の自己資本は1兆6319億円と3月末時点から400億円増加。有利子負債は2842億円に34億円減少し、自己資本比率は76%へ1ポイント改善した。DER(負債資本比率)は17%となっている。
通期連結業績予想は7月25日の発表から変更なく、売上高が前期比7%増の1兆200億円、営業利益が21%増の1020億円、経常利益が66%増の2200億円、純利益が2・1倍の2100億円。
年間配当予想は1株当たり85円(中間・期末各42・5円)で、5月の公表から変更しなかった。
決算会見に臨んだ山鹿徳昌取締役専務執行役員は、「営業キャッシュフローの想定外の上振れを踏まえ、追加の成長投資や株主還元を慎重に見極めて、決めた施策は速やかに実行していく」と説明した。