<速報>中日・吉見、G倒で1年ぶり復活白星!
中日の吉見一起投手(31)が22日、ナゴヤドームで行われた巨人戦に先発、5回を投げ8安打1失点で、打線の援護と後続投手陣にも助けられ5-1のスコアで今季初勝利をマークした。今季5度目の先発にして、昨年5月9日のヤクルト戦以来となる約1年ぶりの復活白星を手にした。昨秋にも右肘を手術。故障に苦しめられ続けた“頼れるエース”の吉見が、名実共に帰ってきた。 吉見は、その立ち上がりからコントロールが甘く、長野、重信に連打を浴びて無死二、三塁のピンチを背負うが、経験に裏づけされた粘り強さを発揮。坂本をピッチャーゴロ、4番のクルーズはスライダーでタイミングを崩しバットを折って一塁へのファウルフライ。村田もスライダーでライトフライに打ち取ってピンチを切り抜けた。 ピリっとしない吉見は3回にも、長野、坂本にヒットを許し一死一、三塁からクルーズにタイムリーツーベースを打たれて先制点を許した。さらに一死二、三塁とピンチが続いたが、村田をフォークでスイングアウト、ギャレットもフォークで三振に斬って悪いなりに1失点で踏ん張った。 1点を追う打線も、「今日こそ吉見に白星を」で一致団結。4回に3番に入っていた大島が、巨人の先発、高木勇から「打ったのはスライダー。先頭打者だったので塁に出ることだけを考えていたが、最高の結果になった」と、ライトスタンドへ同点アーチ。さらに二死三塁のチャンスに「絶対に打ってやろうと打席に入った」という堂上が、センター方向を意識した執念の勝ち越しのタイムリー内野安打。吉見は、打線に助けられ勝ち投手の権利を持ったまま5回、82球でマウンドを降りた。 6回には、巨人の守備の乱れもあって、堂上の2点タイムリーなどで高木勇をKO。吉見の復活白星を後押しするように3点を追加。5-1とリード広げた。 吉見からバトンを受けた中継ぎ陣は、又吉が6回、岡田が7、8回と無失点リレー。最終回はルーキー左腕の福。二死から重信に中前打を打たれたが、得点は許さず吉見の今季初勝利をアシストした。 試合後、ヒーローインタビューに呼ばれた吉見は、「まさか、こんなに勝てないなんて思っていなかったので……本当に苦労しましたけど、今まで何勝かしてきましたが、今日が一番嬉しい勝利です」と第一声。 ここまで通算74勝を記録してきた右腕は、1年ぶりの1勝をこう表現した。 「色々あって、もうダメかなあと。今マウンドに立っていることが奇跡だと思って日々を過ごしています。勝てなくて、もやもやしていて、『また今日もか』とも思ったんですが、人の助けというより、自分で打破していかなくちゃいけないと思って投げました。一人では絶対、こういう結果は出ませんでした。たくさん守ってくれて、打ってくれて、いいリードをしてくれて、今日、ここにいるのかなと思います」 吉見の言葉も感激にあふれていた。 谷繁監督も、「1点に抑えたのが奇跡。粘り強く投げてくれて、やっと勝てた、ひとつ勝ちがついてのがよかったが、本人は納得していないと思う。もう少しヒット数を減らしながら、イニングも少しずつ伸ばしていければいいと思っているのではないか。今後も中6日? はい、そうなります」と、これまでは、登板後、抹消手続きをとっていたが、この試合、同様、今後、中6日のローテーに吉見を回していく構想であることを明らかにした。 「責任感をもって投げる試合は必死にがんばりたいと思います」