「低年収の若者」は結婚だけでなく、恋愛すらも「無理ゲー」な悲しすぎる現実
必ずしも、3.68人以上と恋愛しなければ結婚できないということではありませんし、既婚者の中にも「最初の恋愛相手=配偶者」という例もあります。とはいえ、統計上、既婚男女は、ほぼこの3.68人という恋愛経験をクリアしているわけで、ひとつの目安となるでしょう。 男性の場合は、下位3割層だけではなく、中間4割層ですら、3.68人に到達していないことになります。これが、20代中間層の婚姻数が減っている要因でもあります。結婚以前に、恋愛のステージにすら立てていないわけです。
そもそも3.68人の恋愛人数と婚姻数は関係ないと思うでしょうか? 恋愛人数別に、20代未婚男女の結婚前向き率が各々3つの年収階層でどれくらい変化するのかを示したのが以下のグラフです。 男女とも中間層を見ていただければわかる通り、恋愛人数4人あたりで結婚前向き度は最高値に達します。ここで決断した人たちが結婚していくのでしょう。3.68人と結婚とはやはり密接に関係するものと思います。 ■上位層のモテ無双が中間層の結婚を阻害
しかし、それよりも興味を引くのは、男性の上位層と下位層という2極が「恋愛人数が増えるほど結婚意欲が下がる」という同じような軌跡をたどることです。 下位層は恋愛人数が2人を超えると結婚前向き度が下がります。下位層は恋愛を重ねても、それが低年収ゆえに結婚に結び付かないと学習し、結婚への意欲を失うようにも見えます。一方、上位層は、自己のハイスペ具合により、次々と恋愛相手をとっかえひっかえできることを学習し、急いで結婚する必要性を失うのかもしれません。
しかし、この割を食うのは、中間層の結婚に前向きな男性たちです。上位層は最終的には40歳くらいまでには結婚していきますが、それまでは結婚する気もないのに、恋愛相手として勝者総取りをしていくために、中間層の選ばれない可能性が高まるからです。 金を稼げないと結婚はできないが、金を稼ぐとモテるがゆえに20代での結婚はしなくなる。その上位層のモテ無双が図らずも中間層の結婚を阻害することになる。何という皮肉でしょう。いずれにせよ、男性にとっていかに「お金」が結婚に影響を及ぼすかを示すものです。