「低年収の若者」は結婚だけでなく、恋愛すらも「無理ゲー」な悲しすぎる現実
このように、手取りが減っているのに、逆に結婚の年収のハードルばかりが一層高くなっているという過酷な状態で「金のせいにするな」と言うのはあまりに現実を知らなすぎというものです。 さらに、悲劇的なのは、結婚だけではなく、恋愛すら今は「金次第」となっていることです。「いや、結婚相手の選択はともかく、恋愛にお金は関係ないだろ。それこそ若者が恋愛離れしているせいじゃないのか」などというのは完全に的外れです。
■年収と恋愛人数に強い正の相関がある 年収階級を、上位層3割、中間層4割、下位層3割別の3つに分類し、それぞれの未婚男女が恋愛人数をまとめたものが以下のグラフとなります。 未婚男女とも、年収が高いほど恋愛人数が多く、下位3割層においては、男女とも20~30代のこれから結婚するだろう年齢帯で恋愛人数が最少となっています。年収と恋愛人数は明らかに強い正の相関があります。特に、男性の下位層の20代に至っては、平均恋愛人数が2人を切る1.87人でしかありません。
同じ下位3割層でも既婚男性は中間層とかわらない恋愛人数があるではないかと思うかもしれませんが、これは恋愛力や気合の問題ではありません。未婚男女の下位3割層の恋愛人数が極端に少なくなっている原因は、「恋愛経験なし」が圧倒的に多いからです。 最低1人以上付き合ったことにある者だけを対象とした場合は、男女とも既婚者の数字に近いものとなります。要は、経済的に下位の3割層がいかに「恋愛そのものができなくなったか」ということになります。
■恋愛をするにも金が必要になってきている もちろん、そもそも「恋愛に興味がない」という人もいます。しかし、この中には「本当は恋愛したいのにできない」という層も含まれています。そうした人たちが、「お金がなくて恋愛ができない」もしくは「日々の生活に精一杯で、とても恋愛などを考える余裕がない」のだとすれば由々しき問題でしょう。 結婚だけではなく、もはや、恋愛をするにも金が必要になってきているのです。 なお、グラフ中にある、3.68人の線は、未婚と既婚の恋愛人数の平均値です(参照→「未婚と既婚」に立ちはだかる「3.68人の壁」の正体)。