財政検証で判明、年金「100年安心」ではなかった!公約を実現するには今後も調整が必要だ
この場合、20年後の保険料総額は、((1+r)^20)Aとなる。一方、初年度の年金支給総額は、新規裁定者だけが増えるので、((1+r)+19)・(B/20)となる。以降、第n年度の年金支給総額は、((1+r)・n +(20-n))・(B/20)となる。したがって、n=20の場合の年金支給総額は、(1+r)・B となる。 したがって、r=1%の場合、20年後の保険料総額は、1.22A、給付総額は1.02Bとなる。したがって、給付総額に対する保険料総額の比率は、初年度のA/Bから、((1+r)^19)・(A/B)となり、上昇する。
なお、実際には、保険料支払い者や年金受給者は、各年齢階層に同数づつ分布しているわけではないので、上記の単純モデルは修正する必要がある。
野口 悠紀雄 :一橋大学名誉教授