表から見えない部分にこそ美意識発揮 京都府福知山市で「裏勝り 羽裏の美」展
京都府福知山市内記の市丹波生活衣館で、羽織の裏地やじゅばんを集めた企画展「裏勝り 羽裏の美」が開かれている。表から見えない部分に施された、富士山などの豪華な絵柄に来場者が見入っている。 裏勝りとは、表地より裏地のおしゃれに凝ること。江戸幕府がぜいたくを禁じた奢侈(しゃし)禁止令に対して考えられた工夫とされる。 企画展では、主に大正時代~昭和初期に丹波地域で着られた同館収蔵の羽織とじゅばん約40点が、脱いだ時にしか見られない裏側を表側に出して披露されている。 亀甲模様や麒麟(きりん)、ヤマトタケルや七福神、金閣寺や清水寺、忠臣蔵や能の場面などさまざまな絵柄が並ぶ。来場者は規制を逆手にとって生まれた当時の人たちの遊び心や粋に感心していた。 12月15日まで。午前9時~午後5時。火曜休館。入館無料。市丹波生活衣館0773(23)6070。