露の團四郎 来年10月に〝三代目露の五郎〟襲名「コツコツと芸道を進んでいきたい」
落語家の露の團四郎が13日、大阪市内で行われた「三代目 露の五郎襲名発表会見」に出席した。 先代である二代目は、1968年に「二代目露乃五郎」を襲名。80年に「露の」に改名した。その後、2005年に露の五郎兵衛を襲名し、滑稽話、怪談話、人情噺などに取り組み、紫綬褒章や芸術祭賞などを受賞した。09年に77歳で亡くなった。 今回の襲名について、露の五郎の出囃子「勧進帳」が他の人に使われそうになったことがきっかけだという。 團四郎の姉弟子・露の都は「(先代・露の五郎の)奥さんと相談し、『勧進帳』を團四郎くんに使ってもらうということになった。その2年後に奥さんと團四郎君が話し、三代目露の五郎を継ぐという形になりました」と襲名のいきさつを明かした。 「師匠が亡くなり寂しい思いをしていましたが、『露の五郎』の看板が落語会や寄席のところに再び看板があがることがとてもうれしい気持ちでいっぱい」と心境を述べた。 先代・露の五郎の甥にあたる桂福團治は「二代目にあの世で喜んでもらえるように、良き三代目五郎を継いでいただいて頑張っていただきたい」とエールを送った。 上方落語協会七代目会長の笑福亭仁智は「團四郎さんが三代目をお継ぎになる。大きな名前をさらに大きくしていただくような(活躍を)陰ながら期待しております」と祝辞を述べた。 今回の襲名は、先代の十七回忌(慈明忌)に行われる。 團四郎の弟子で僧侶でもある団姫は「慈明忌というのは、亡くなった方に感謝すると残された人の道が明るく開けるっていう回忌なんです。そういう年に襲名されるって、弟子としてうれしく思っております」と笑顔で語った。 襲名に際して團四郎は「師匠の足元にも及びませんが、私なりの芸を続けたい。プレッシャーはあります。私が五郎になって、師匠と違うと言われると思いますが、私なりの五郎になっていきたい。(師匠に)『お客様が求めてるような芸をしなさい』と言われてきたので、まじめにコツコツと芸道を進んでいきたい」と意気込みを語った。 来年10月24日、大阪・国立文楽劇場で行われる「團四郎改メ三代目露の五郎襲名披露公演」で正式に襲名となる運びで團四郎は「お客様によろこんでもらえるように…。プレッシャーになる日やと思いますが、最後に一席、無事つとめあげたい」と述べていた。
東スポWEB