推薦とれず…体格劣っても“名門校主将”になれたワケ 指導者の予想を覆す「逆算戦略」
中京大中京で主将・小林満平氏が小・中学生時代に磨いたセルフマネジメント力
体格に恵まれていたわけではなかった。名門・中京大中京入学時はスポーツ推薦でもない。だが、どのカテゴリーでも世代トップレベルの選手となり、ドラフト候補に名前が挙がるまでの選手となった。2022年に東邦ガスで現役を退いた小林満平さんが、強豪校で主力として活躍できたのは“セルフマネジメント”の力が大きい。 【動画】自宅で簡単! 高校野球名門OBが実演…“押し込む”力が付く素振り&トレーニング 現在、野球人のネクストキャリアをサポートする名古屋市の企業「Ring Match」で執行役員を務める小林さんは、2022年9月、東邦ガスで現役を引退した。学生時代は甲子園の常連校・中京大中京で主将を務め、法政大では外野手でベストナインを獲得。大学日本代表にも選出された。その輝かしい経歴とは対照的に、小林さんは「高校でも大学でも、指導者の皆さんは僕がレギュラーになるとは思っていなかったはずです」と振り返る。 東邦ガスでプレーした頃の小林さんは身長175センチ、体重75キロ。すらっとした体形で、体は決して大きくなかった。競争が激しいチーム内でレギュラーを勝ち取るには、どうすればよいのか。小林さんが導き出した答えは「強みをとがらせること」だった。子どもの頃から短距離で負けたことがない俊足とミート力を、とことん磨いた。 「基本的に弱点を補う考え方はなかったです。その理由は、替えがきかない存在になるためです。野球を引退して社会人になってからも同じですが、その人にしかできない仕事や役割を担えることができれば、組織の重要なピースになれますし、高い評価も得られます」 小林さんは、バットの芯に当てる確率を上げる練習に重点を置いた。5種類のティー打撃とスローボールをセンターの頭の上に打ち返すメニューは日課だった。自分に合った練習を見つけて繰り返していたという。 「いろんな球にコンタクトする力を向上させる打撃を意識していました。弱点を補うことを目的にすると、様々なメニューをこなすという考えになりますが、自分の武器を磨く方法を取捨選択していきました。メニューを決めたら、少なくとも半年は同じ練習を続けます。継続しないと見えないことがありますから」