こちらのヤル気まで削ぐ「ネガティブアプローチ」発言する人への対処法は
「前例がない」との発言にはいったん認めて「だからこそやりましょう」
「前例がない」 そもそも今の時代において、前例に基づいてやっていくということは大きな成功につながりにくいものです。 二番煎じと見られることもあり、大体競合に負けていくのが常です。プライスリーダーになれる人とは、古い言葉で言うと、ブルーオーシャンに入っていける人でもあります。 そもそも前例がないと反対しているのはどうしてなのでしょうか? その人が、役割意識として反対してる場合もあります。「会社として慎重に考えなさい」という意味合いで、象徴的な「前例がない」というネガティブな発言をした可能性もあります。 「前例がない」と言われたときに大切なことは、「だからやるんじゃないですか、普通」ということを相手にさらっと返すことなのです。 ここで、「前例があればやるのですね?」と揚げ足取りのように言質を取って「これは前例じゃないでしょうか」と無理やり前例らしきものを探しにいく方法もありますが、それよりはポジティブな印象を持たせながらすすめる方法をお奨めします。 まず、反対意見を言わなければいけないその人を立ててあげるのが効果的です。「その発言はごもっともです」と受け止めつつ、「だからこそやりましょう」って言いきってみてはどうでしょうか?
たいていの会社は「挑戦」を理念として掲げている――そこを逆手に取ろう
先にも書いたように、反対意見は会社を代表するものではなく慎重に検討するための楔のようなものとしての発言であるケースがあります。 その楔を乗り越えて、やるべき強い意志があるのであればやるということです。1つひとつの発言をまともに受け止めて、モチベーションを下げてしまうのは大いにもったいない。自分の意思をつらぬく発言で阻止してみてはどうでしょうか? ちなみに大抵の会社では、理念や方針として、挑戦や新しいことに取り組む意欲が掲げられています。そうした会社のモットーを確認しておいて、「社長が『うちの会社は新しいことにあくなき挑戦をしてきた』と語られていまよね」といったように、反対意見に負けない方法も覚えておいてください。 【筆者プロフィール】 高城 幸司(たかぎ・こうじ):株式会社セレブレイン代表取締役社長。1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。