休日のささやかな楽しみも時代の流れ……
ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム「報道部畑中デスクの独り言」【第397回】 新年おめでとうございます。毎年1回目は恒例の「スイーツ」の話題をお送りしていますが、今回は2年ぶりにスイーツの「王道」を。
休日には様々な土地に足を運ぶのですが、私のささやかな楽しみはそこでしか食べられないものを探すこと。名物料理は数々あれど、ここ2~3年、私が照準を定めているのはレトロな喫茶店でのパフェ。独特の照明とソファに身を沈めて食すデザートは、慌ただしい日常とは違うオアシスを感じます。昨年撮影した小欄の画像で幸せな気分を“おすそ分け”いたします(画像のパフェの値段はすべて入店当時のもの)。 しかし、このパフェも時代の流れを突き付けられています。以前に比べて随分値段が上がってきました。かつて500~600円という良心的な値段だった店も、最近は800円台が当たり前、中には1000円を超える店も出てきました。ついつい財布のひもが固くなってしまいます。
「チェーン店と違って、私たちには厳しい」ある喫茶店の店主からは嘆きの声が聞かれました。その店でも各メニューがある時期にぐっと上がったのですが、店主によると、「この値段では(小口の店舗には)卸せない」と飲み物のサーバーの提供を断られてしまったそうな。仕方なく、瓶単位で調達せざるを得ず、これまでの価格が維持できなくなってしまったということです。ちなみにこの店のチョコレートパフェも600円から800円に値上がりしていました。 昨年は大手企業の春闘賃上げ率が5%台に乗せ、33年ぶりの高水準となりました。課題だった中小企業への波及も、連合傘下の企業については4%台をマークし、一定の効果がみられました。一方で「実質賃金」は最近になって、ようやくマイナス圏から脱しつつあるものの、上昇傾向とするにはまだまだ道半ばです。「今回は定着を合言葉に」(経団連・十倉雅和会長)、「賃上げの流れを巡航軌道にのせる」(連合・芳野友子会長)、物価高に負けない賃上げについて、労使双方からは並々ならぬ意欲がうかがえます。