ツーリングを安全&快適にしてくれるボッシュのバイク向け先進技術が凄かった
■グループライドに役立つ「GRA」
「グループ ライド アシスト(GRA)」はその名の通り、グループでのツーリングに役立つ機能。グループツーリングでは千鳥走行といってバイクが互い違いになるように走行するので、そのままではACCがうまく機能しないことがありますが、GRAはACCの機能を拡張し、斜め前を走るバイクにも追従できるようにするものです。 実際にテストコースで千鳥走行を試してみました。通常のACCでは、コーナリング中などに追従する対象が斜め前のバイクと正面にいるバイク(1台前のバイク)で切り替わってしまうことがありましたが、GRAを使うと斜め前のバイクに追従できます。ちょっとした違いではありますが、グループでツーリングをする機会が多いライダーには、快適性と安全性を高めてくれるはずです。
■操る楽しさと安全性を両立する「RDA」
ACCがアクセルを操作しなくても前走車を追従するのに対して、「ライディング ディスタンス アシスト(RDA)」という新機能はライダーがマシンを操りながらも、前のクルマへの接近しすぎるのを防止してくれるもの。ACCが高速道路で便利なのに対して、RDAは出先のワインディングなどで前のクルマに追いついてしまったときなどに役立つ機能です。 ワインディングでは、4輪車と2輪車では加減速するポイントが違うので、ACCで前走車に付いて行くとコーナーの手前で減速しないまま進入することになったり、コーナー出口ではアクセルが開けられずに不安定になったりします。その点、RDAはアクセルで車速のコントロールができるので、そうした不安やストレスがありません。 それでいて、前のクルマとの間に透明なボールがあるかのように、ある程度以上は近づくことができないので、クルマがバイクとは違うポイントでブレーキをかけたとしても、追突を防ぐことができます。
■緊急ブレーキをアシストしてくれる「EBA」
危険回避のためのブレーキをかける際、ライダーのブレーキングが十分でなかった場合にアシストしてくれるのが「エマージェンシー ブレーキ アシスト(EBA)」。4輪と違い、2輪ではライダーが意図していないのにブレーキがかかると、バランスを崩して転倒にもつながるため、あくまでも“アシスト”でありライダーが操作しない限りは作動しないのがポイントです。 衝突が予測されると、まずディスプレイに警告が表示され、それでもライダーがブレーキをかけない場合はリアブレーキを使って車体を振動させて警告。ライダーがブレーキを握ったら、足りない分をアシストするという念の入れようです。 実際の体験では、クルマの横に吊り下げられたボールに接近する形でテストをしましたが、軽くレバーを握るだけでも制動力がアシストされるので、安全に止まれました。それも、パニックブレーキ的な効き方ではないので、車体が不安定になることもありません。長距離を走って疲れたツーリングの帰り道など、注意力が落ちてきた場面での安心感につながりそうです。