浜松まつり3日開幕 解体迫る高林町公民館で最終準備「思い出次世代に」
浜松市で3日開幕する浜松まつりに向け、同市中央区の高林町は1日、地元住民が年末で解体される予定の公民館に集まって凧(たこ)糸の調整など最終準備を進めた。高林自治会の飯尾忠弘会長(76)は「65年の記憶が詰まった建物。最後の祭りを全力で楽しみたい」と言葉に力を込めた。 高林町公民館は1960年ごろ、積志小の建て替えに伴い、木造校舎の一部を移築する形で設けられた。耐震性への不安などから年内での解体が決まっている。新公民館は町内の別の場所に建て直す予定だ。 祭り準備の集会やラッパ練習の会場のほか、隣接する広場は子どもの遊び場にもなり、世代を超えた地域交流を支えてきた。飯尾会長は「子どもの頃、祭り準備に奔走する大人たちは憧れの存在だった」と目を細めた。 祭り2日目の4日夜は、公民館で初子の家庭を含めた町内全体でのお祝い会を行う。お祝い会はコロナ禍を挟んで5年ぶり。凧揚会の大石諭副会長(49)は「建物がなくなる前に、大勢の地域住民が集まる機会を設けることができる。飲酒制限解除が間に合って良かった」と笑顔を浮かべ、「子どもたちはここでたくさんの思い出をつくり、未来につないでほしい」と願いを込めた。
静岡新聞社