「がん光免疫療法」開発者 小林久隆「最初に作ろうとしているのは前立腺がんの薬です」現在進行中のプロジェクトを語る
◆現在は前立腺がんの治療薬を研究中
玉川:薬剤を増やしていくのに、大きな会社とかお上に頼る以外の方法はないのかなとずっと考えています。 小林:最近、患者さんから「こういった薬を作ってほしい」といった、たくさんのご要望をいただくんですね。NPOを立ち上げて、みなさんからファンディングをいただいて、患者発の創薬みたいなものをやろうとスタートさせています。 玉川:おお! 小林:お金に関しては、大きな会社をマネージメントされている方から寄付をいただけるんですけども、何よりも賛同者の多さが私は大事だと思っているんです。みなさんが「こういう薬がほしい」と声をあげていただくと、国にとっても背中を押してくれるものになるんじゃないかなと思います。できれば賛同だけでもしていただけると嬉しいですね。 玉川:今動いているプロジェクトは何のがんに対するものですか? 小林:最初に作ろうとしているのは前立腺がんの薬です。前立腺がんは、他のがんとは違う目印が出ているんですよ。そういう(一種類のがんにしかない)目印のものってどうしても後回しになりやすいのですが、患者は多いんですよね。たくさんの患者がいて長く時間がかかる病気なので、そこから始めようと思いました。 原:リスナーさんからメッセージをいただいております。「友人が前立腺がんで入院しています。手術、放射線、抗がん剤でも抑えられないようです。光免疫療法が使えるのはいつ頃ですか?」とのことです。 小林:創薬は実際に始めていますが、保険適用に持っていくまでは長い経過がかかってしまうかもしれません。使える薬を作るのにもう1年半ぐらいのスケジュールが必要かと思います。 玉川:つまり、薬ができて治験が始まれば、治験に参加する手もあるということですね? 小林:そういうこともできると思います。 原:治験は誰でも参加できるわけではないんですよね? 小林:もちろん、参加していただける病状の方をある程度選ぶ必要があります。そのときの状況を見てアプローチしていただけたらと思います。 (TOKYO FM「ラジオのタマカワ」2024年5月23日(木)放送より)