30代・優秀なエンジニア、重大プロジェクトのマネージャーに意気揚々就任も…「デスマーチ」に陥りうつ状態に。全然うまく行かない根本原因【勤続46年・元ソニー社員が解説】
「できるプロジェクトマネージャー」になるために
「自己流のプロジェクト・マネジャー」は、自分の強みを中心に、伸ばせる範囲に手を伸ばしていく傾向にあります。とくにエンジニアからマネジャーに任命された場合は、エンジニアリングに関心が偏り、マネジメントが疎かになる傾向にあるでしょう。それに対して「できるプロジェクト・マネジャー」は、プロジェクトマネジメントの全体像を理解したうえで、自分がやるべき仕事を把握するとともに、自分ひとりでは手に負えない仕事をチーム・メンバーとともに解決します。さらに、自分の強みを生かし、弱みとなる部分は得意な人を巻き込んでパフォーマンスを最大化するのです。 できるプロジェクト・マネジャーになろうとすると、プロジェクトマネジメントについてインターネットで調べたり、書籍を読んだりして勉強します。すると、世界標準のPMBOKⓇ ガイドという書籍やPMPⓇ (Project Management Professional)の資格があることを知るのです。PMBOKⓇ ガイドを中心にプロジェクトマネジメントを勉強し、1年後にはPMPⓇ の資格を取得します。 たとえばソニーのプロジェクトマネジメント研修の受講者からは、次のような感想が寄せられています。 ●プロジェクトマネジメントを体系的に学べた ●自分のこれまでの仕事の進め方で不足している部分を見つけられた ●他人の考え方や意見を聞くことができた ●今までの経験や我流でしていたが、まず基礎から体系的に学べた ●プロジェクトマネジメントに関して言葉は聞いたことがあったが、体系的に理解できた。プロジェクト活動以外にも、業務に有効活用できる。 日本にも古くからプロジェクトマネジメントの考え方があります。それは「段取り」です。段取りとは、事が期待どおりになるように、前もって計画的に準備することです。語源は「段取り八分仕事二分」からきています。いい仕事をするためには、段取りが非常に重要です。 似た言葉として「転ばぬ先の杖」「備えあれば憂いなし」がありますが、いずれもリスクに対応する言葉として使用されます。このように、プロジェクトは不確実性の塊に対する挑戦のようなものです。しっかりと事前に準備しておくことが重要になります。 できるプロジェクト・マネジャーは、自身の現在のプロジェクトマネジメントスキルを理解し、体系的に学び、全体像を理解したうえで実践しています。 小山 透 プロジェクトマネジメント・エバンジェリスト ※本記事は『常勝! プロジェクトを成功に導くマネジメントの定石 立ちはだかる壁を乗り越えるプロジェクト成功の鍵とは』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。