登場から10年の節目を迎えるApple Watch、ハードとAI・ヘルスケア機能を大幅に強化、「次の10年」への戦略を読み解く
■“大幅刷新”のApple Watch Series 10 毎年、この時期になると「今年のApple Watchは買いなの?」といった質問をよくされる。 【写真で見る】上位モデルと見間違えるほど美しいアルミのジェットブラック この質問はなかなか難しい。なぜなら、Apple Watchは毎年秋になれば新モデルが登場し、ラインナップが刷新されることは明らかだ。 一方でApple Watchはすぐに陳腐化しないよう、計画的に開発されている。少し前のApple Watchでも最新OSが動作し、新しい価値が可能な限り受け取れるよう、ハードウェアの違いによる“乗り越えられない壁”を除き、機能を担保してくれる。
これは毎年のことであり、どのタイミングで買っても将来的な発展は、ある程度保障されていると言ってもいい。冒頭の問いに対する答えは「欲しい時が買い時だ」という、ありふれたものになってしまう。 とはいえ、大きなモデルチェンジの年を迎えることもある。今年、発表されたSeries 10も“大幅刷新”と言って間違いない。 Apple Watch Series 10は、このジャンルの製品を次のステージへと引き上げる新しいスタート地点になるはずだ。Apple Watchはアップル製品のポートフォリオの中でも、AirPodsに並んで売り上げが順調に増加しているジャンルでもある。
言い換えるなら、アップルにとっても今後の成長余力がさらに見込める製品だ。そして、Apple Watchは、ほかのスマートウォッチと異なりiPhoneとの組み合わせでしか利用できない。すなわち、アップルブランドの製品の価値を高めるうえでも、極めて重要なのだ。 ■ディスプレイと装着感の“要”となる要素を変更 アップルは過去において第3世代と第4世代の間に大幅な設計の変更、形状の刷新を行った。以降、第9世代までの間はメカニカルな設計はほぼ変更されず、Apple Watchの全体を覆う“高級ケース”市場を生み出した。