応援してくれた仲間たちに「日本一の景色を見させてあげたかった」。インハイで成長、初4強の帝京長岡は冬も歴史を塗り替える
[8.2 総体準決勝 帝京長岡高 1-2 昌平高 Jヴィレッジスタジアム] 「やっぱり試合に出れないことって、選手として一番苦しいメンタルだと思うんですけど、ああやって仲間が自分のことさておきにして応援してくれたっていうのは、自分たち凄く後押しされたところでありますし、やっぱり日本一の景色を見させてあげたかったなっていう申し訳なさと、『応援してくれて、ありがとう』っていう感謝の気持ちはあります」 夏冬通じて初の決勝進出を目指した帝京長岡高(新潟)は1-2で惜敗。CB山本圭晋主将(3年)は3位表彰を受けた後、大会を通して大応援で後押ししてくれた仲間たちへの感謝と「日本一の景色」を見せられなかった悔しさを口にしていた。 結果として、立ち上がりが響いた。「入りのところで相手の方が、やっぱり出力があった」と古沢徹監督。昌平高(埼玉)に押し下げられ、普段よりもビルドアップのスタート位置が10~15m後方になってしまう。それによってFWとの距離が開き、なかなか高い位置までボールを運ぶことができない。そして、前半5分、14分に相手のファインゴール2発を食らい、ビハインドを負う展開となってしまった。 帝京長岡は右SB遠藤琉晟(3年)を中盤へ移し、4-1-4-1システムで立て直す。ビルドアップにも徐々にリズムが出て、前半のうちにFW水澤那月(2年)のゴールで1点を奪い返すと、後半3分にはトリックCKの“長岡花火”から山本が決定的なヘッド。その後も外と内側を活用しながら反撃したが、昌平の守りは最後まで堅かった。 1回戦から3試合連続でゴールを決め、今大会5得点のFW安野匠(3年)は「自分たち最初から相手に噛みつきにいくというゲームプランでやっていて、その中で噛みつきには行けていたんですけれども、やっぱり思い通りのプレーができなかったり、チームとしてもう一個パワーを持って行けたらなという試合展開でした」と首を振る。 そして、「(個人としても、準々決勝の青森)山田からの2試合で結果が残せなかったのは悔しいですし、そこで結果が出せないのは意味がない。(パスを欲しがって下がらず)我慢するところだったりとか、味方を信じて前で待っていたり、一つのチャンスを決め切るシュートの精度とかを磨いていきたい」と力を込めた。 選手権は2019、2020年度に2年連続で3位。その一方、これまでのインターハイは2回戦が最高成績だったが、今大会は準決勝まで計5試合を戦った。山本は「夏までにしっかりチームとして完成度を上げて、ここまで一回持ってきて、冬までにもう一個上げようっていうのは、Aチームが始まる時からそういう話をしてたんで。(敗戦直後で)まだちょっと整理ついてないんですけど、何かしらもう1つ、2つ、3つ足りないものがあるっていうのは事実で、この敗戦やと思うんで、リーグ戦でもっと成長して、完成度上げていって、冬に向けて準備していけたらなと思います」と意気込んだ。 古沢監督は選手たちに対し、「負けの原因は私にあるので。本当に一生懸命70分間走り切ってくれたので、 選手を称えたいと思います」と感謝。「(今大会を通して)選手が伸びて成長していってくれてるっていう部分は、凄くプラスに捉えていきたい。色々な選手がこのトーナメントで5試合させて頂いたことで、凄く伸びて来ている部分があるので、この夏、しっかり鍛えて、冬にまた。まずは県の予選を、簡単ではないのでしっかり取って、また全国選手権のところで選手たちと一緒にもう一個上のステージに上がれるように、私がもう一回勉強し直してきます」。今回の経験を糧に選手、スタッフも成長すること。そして、冬も帝京長岡の歴史を塗り替える。