きっかけはコンビニのバイト 流通から社会の困りごとを解決する「サプライチェーン」の研究とは
子どもに「任せて見る」ことが大事
最後に、中高生と保護者へのアドバイスを聞きました。 「将来やりたいことは何ですか、とよく聞かれますね。特に決まっていない人が多いと思いますが、そのことを後ろ向きにとらえる必要はありません。大事なのは、その時の自分の手が届く範囲で、好きなこと、嫌ではないことに全力投球することだと思います。そうすると扉が開かれることがあります。一生懸命、何かに取り組んでいるうちにご縁がつながっていく。少なくとも、私はそうしてきました」 おすすめは、少し背伸びをすれば届くところに目標を設定して、そこに向かって具体的な行動をとること。具体的に動き始めると、道が開けてくることも少なくありません。 河合教授自身、高校生の親でもありますが、次のように語ります。 「前の職場の先輩から言われた、『任せて見(守)るのが大事』という言葉が忘れられません。親はつい手や口を出したくなってしまいますが、子どもを信じて自分で考えさせ、したいようにさせてみる。それは親が育つことにもなります。言うは易し行うは難し、ですが、私も心掛けています」 プロフィル 河合亜矢子(かわい・あやこ)/学習院大学経済学部経営学科教授。筑波大学第三学群社会工学類を卒業後、物流企業で3年勤務した後に筑波大学大学院システム情報工学研究科修士課程に入学し、博士課程を修了。博士(工学)。筑波大学サービス・イノベーションプロジェクト研究員、高千穂大学経営学部准教授などを経て、2017年から現職。専門はサプライチェーン・マネジメント、経営情報システム。 (文=仲宇佐ゆり 写真=本人提供)
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