【中国】今年の電力消費7%増、業界団体が上方修正
中国電力業界団体の中国電力企業聯合会(中電聯)は28日、中国の2024年の電力消費量が前年比約7%増の9兆9,000億キロワット時になると予測した。猛暑で夏季の電力消費量が急増したことを受け、7月時点の予測値(6.5%増)から上方修正した。伸び率は前年の6.7%を上回るとみている。 今冬は電力逼迫(ひっぱく)を回避できるとの見方。中国気象局は今年第4四半期(10~12月)の気温が全国の大部分で平年より高くなると予測しており、暖房向けの電力消費は落ち着く見通し。比較対象となる前年同期の数値が高かったこともあり、第4四半期の電力消費量は5%前後の伸びにとどまるとみている。 ただ、需給バランスが一時的に崩れる恐れもあり、華東や華中、西南、南方地域の一部の地域ではピーク時の電力需給が逼迫するとの見方を示した。 ■新規稼働8割が風力・太陽光 24年1~9月の電力消費量は前年同期比7.9%増の7兆4,100億キロワット時だった。8、9月の消費量の伸び率はともに8%を超え、猛暑が電力需要を押し上げた。 製造業の電力消費は5.8%増え、業種別ではコンピューター・通信・その他電子設備製造業(14.4%増)やハイテク・設備製造業(11.4%増)、自動車製造業(11.1%増)の伸びが目立った。消費財製造業は6.4%増加し、食品製造業(10.9%増)や家具製造業(9.7%増)、繊維・アパレル製造業(8.6%増)などといった業種の電力消費が増えた。 モバイルインターネットやビッグデータの急速な利用拡大に伴い、インターネット関連サービス業の電力消費量は24.4%増加。「新エネルギー車(NEV)」向け充電・電池交換サービス業は56.7%増となった。 発電設備の新設も進んでいる。24年に新規稼働する発電設備容量は4億キロワット前後となり、このうち風力・太陽光発電は全体の8割に当たる約3億3,000万キロワットになる見通し。 24年末時点の発電設備容量は前年同月末比13.5%増の約33億2,000万キロワットと予測。このうち風力・太陽光発電は13億8,000万キロワット前後と全体の4割以上を占め、火力発電の14億6,000万キロワットに迫るとみている。