楽天・田中将が電撃退団 減額制限超えダウン提示で球団慰留も「自由契約にしてほしい」他球団で現役続行の道
楽天は24日、田中将大投手(36)を11月30日が提出期限の保留選手名簿に記載しないことを発表した。オンラインでの取材に応じた石井一久SD(51)は来季契約について減額制限を超えるダウン提示を行ったことを明かした上で、田中将本人から「自由契約にしてほしい」と申し出があったと経緯を説明した。日米通算200勝まであと3勝に迫っている右腕は今後、他球団での現役続行を模索する。(金額は推定) 【写真】誕生日を迎えたマー君と2ショ 左薬指には結婚指輪キラリの里田まい イヌワシ軍団の象徴的存在が大きな決断を下した。田中将は自身のYouTubeチャンネルを更新。「楽天イーグルスと来季の契約を結ばずに、新たなチームを探すことに決めました」と語った。 思い描いた活躍ができていなかった。21年、メジャーから8年ぶりに古巣楽天へ復帰。推定年俸9億円で2年契約を結んだ。ただ、大きな期待とは裏腹になかなか勝ち星が伸びず。大減俸を続け、今季の年俸は2億6000万円になっていた。 試練は続いた。今季は昨秋に受けた右肘クリーニング手術からの回復に時間を要した。状態が上がらず3月から約5カ月実戦から遠ざかった。夏場にようやくマウンドに戻るも、結局1軍では9月に1試合登板したのみ。自身キャリア初となる、シーズン未勝利で終えた。楽天に復帰してからの4年間を「なかなか思うようにいかず、苦しく我慢の時間も少なくなかった」と振り返った。 球団としては「うちにとって必要なプレーヤー。創設以来、長年貢献してくれた」(石井SD)と評価する部分は間違いなく大きい。それでも「しっかり成績を出した人と出せなかった人は判断しないといけない」と特別扱いすることなく、減額制限(1億円超えは40%)を超えるダウン提示を行った。 田中将との協議の中で石井SDは「僕たちの意見として、当然残ってほしいと伝えた」と慰留したが、「最後は本人から『自由契約にしてほしい』ということだった」と話はまとまらず。「人それぞれの向き合い方がある。彼も熟考した中での決断。尊重してあげたい」と背中を押す結果になった。 右腕は来季について「どこでプレーするのか何も分からない状態ですけど、今の自分はいいコンディションでいいトレーニングを積むことができてます」と話した。「今年投げられなかった分、しっかり投げて戦っていきたい」と新天地での活躍を誓った。 自身の大きな目標でもある、日米通算200勝も、あと3勝と目前。球界を代表する田中将は、もう一花咲かせるべく、移籍先を模索する。 ◇田中 将大(たなか・まさひろ)1988年11月1日生まれ、36歳。兵庫県出身。投手。188センチ、97キロ。右投げ右打ち。投手。駒大苫小牧から2006年度高校生ドラフト1巡目で楽天入団。13年にシーズン無敗の24勝を記録。最高勝率2回(11、13年)、最優秀防御率2回(11、13年)、最多勝2回(11、13年)、最多奪三振1回(12年)、沢村賞2回(11、13年)。14年にポスティングシステムでヤンキース移籍。同4月4日・ブルージェイズ戦でメジャー初登板初先発初勝利。21年楽天復帰。08年北京五輪、09、13年WBC日本代表。 ◆減額制限 野球協約第92条によって上限が定められているが、上限を上回る場合でも選手の同意があれば球団は契約を締結することができる。制限額はその年度の年俸が1億円超の場合は40パーセントまで、1億円以下の場合は25パーセントまで。同時に第58条(自由契約選手)で、選手契約が無条件で解除され、又はこの協約の規定により解除されたと見なされた選手はコミッショナーが自由契約選手として公示した後、いずれの球団とも自由に選手契約を締結することができる。