インドETFが6月の資金流入リード、選挙後の経済成長に期待感
(ブルームバーグ): インドの経済成長見通しが投資家を引き付けている。総選挙を経てモディ首相が3期目に就任した過去1カ月間に新興国市場を対象とする米国籍の上場投資信託(ETF)の資金流入はインド関連ファンドがリードした。
資金流入をけん引したのは、「iシェアーズMSCIインドETF」(ティッカー:INDA)と「フランクリンFTSEインドETF」(同FLIN)、「ウィズダムツリーインド収益ファンド」(同EPI)の3本。インド経済の成長見通しを巡る投資家の楽観的見方を背景に、3ファンドへの資金流入額は過去1カ月に10億8000万ドル(約1740億円)に上った。
グローバルXマネジメントのシニア・ポートフォリオマネジャー兼新興市場戦略責任者のマルコム・ドーソン氏は「インドは引き続き、構造的かつ長期的にみて世界最高のチャンスをもたらしている」と指摘。人口動態の魅力や市場に優しい(民主的に選出された)統治、中国からのサプライチェーンの分散、成長する中産階級などを要因として挙げた。
与党・インド人民党(BJP)が総選挙後に主要政党の支持を得て連立政権が樹立され、モディ氏の3期続投が確実になって以来、インド株は上昇している。モディ政権が政策継続を約束した中で、インドの株式時価総額は先月、初めて5兆ドルを超えた。
一方、資金流出額上位5本のうち3本は、中国株に連動する米国籍ETFが占めた。
プロフィシオ・キャピタル・パートナーズのシニア投資アナリスト、アンディ・ウェスター氏は「中国は金融市場を支援しているが、まだ不十分だ」と述べ、投資マネーの流れはパフォーマンスを追いかけており、資金が中国からインドにシフトしても驚きではないと付け加えた。
関連記事:
原題:India ETFs Lead Inflows in June on Growth Optimism Post-Election(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Leda Alvim