大の里、1敗の隆の勝に敗れ4敗目「対応出来なかった自分が悪い」18年ぶり新大関優勝は危機的
<大相撲九州場所>◇11日目◇20日◇福岡国際センター 新大関の大の里(24=二所ノ関)が、今場所初の連敗を喫し、優勝争いで大きく後れを取った。取組前まで琴桜、豊昇龍の両大関とトップで並ぶ1敗だった、東前頭6枚目の隆の勝に押し出しで敗れて7勝4敗となり、2日連続で勝ち越しはお預けとなった。立ち合いで少し変化した相手を押し込むことが出来なかった一番に「対応出来なかった自分が悪い」と反省。06年夏場所の白鵬以来、18年ぶりの新大関優勝は、一筋縄ではいかない状況となった。 前日10日目は、関脇大栄翔に悔しい黒星を喫した。突き、押しを得意とする相手に、最後はもろ差しから寄り切られた。取組後は「明日(11日目)からの5日間が大事。また集中していきたい」と、口調こそ落ち着いた様子だったが、随所で悔しさをにじませていた。 12日目は結びの一番で、西前頭16枚目の尊富士戦が組まれた。ともに出世の早さに髪が伸びるのが追いつかず、大銀杏(おおいちょう)を結えない“ちょんまげ優勝”経験者。大の里は夏場所で史上最速、初土俵から所要7場所での初優勝と、秋場所で2度目の優勝を果たした。尊富士は春場所で110年ぶりの新入幕優勝。多くの相撲ファンから将来を期待される、2度目の顔合わせが実現。初顔合わせの春場所では、尊富士が勝っている。大の里としては、現在トップの年間最多勝争いでも、今場所前に2位の琴桜に4差をつけていたが、徐々に差を縮められてきた。初の年間最多勝を手にするためにも、わずかな逆転優勝の可能性を消さないためにも、負けられない一番となる。