県内初の夜間中学、来年4月に開設…親子で入学予定の日系ブラジル3世の女性「教師になるため日本の学校で学び直したい」
来年4月に滋賀県湖南市が市立甲西中に開設する県内初の夜間学級(夜間中学)の説明会が22日、同中で開かれ、入学希望者や支援者ら約20人が参加した。
夜間中学は、戦後の混乱期に義務教育を受けられなかった人らの学びの場だった。年代や国籍によらず義務教育相当の学習機会の確保を定めた教育機会確保法が2017年に施行されると、各地で設置が進み、近年は外国人人口の増加で、外国籍の人のニーズも高まっている。
県内にはなかったが、県教育委員会の呼びかけに外国人が多く暮らす湖南市が手を挙げた。
県内在住か同市で働き、来年度当初で16歳以上の人が入学できる。中学を卒業していない人、卒業はしたが不登校などで学び直したい人、外国人など30人程度を受け入れる。
授業は平日午後5時半~9時に実施。1コマ40分で1日4コマ、中学と同じ9教科などを学ぶ。日本語を学ぶ授業を増やす「日本語コース」も設ける。
教室は甲西中の和室やコンピューター室などを活用し、授業料や教科書代は無料。
説明会は10月に続いて2回目で、同中の担当者が授業のやり方や入学手続きについて説明し、校舎を見学した。同市の日系ブラジル人3世の女性(19)は日本で生まれ、中学の途中でブラジル人学校に移った。「日本で教師になるため、日本の学校で学び直したい」と話した。女性の母親(49)も入学する予定という。