予期せず「幹細胞」を大量に...世界初!?の再生医療技術を開発「ピカピカ光っていてびっくり」体内で生まれる『赤黒いバイオシート』治験で患者に笑顔が
さらに、片足を切断すると、心臓から全身に血液を送るバランスが大きく崩れるなど、体への負担が大きく、命にも関わるといいます。 (東田医師)「足首より上で切断をしなきゃいけなかった人の半分は、大切断してしまった後に命を失うか反対の足も切断するか、というようなことが言われています」 佐藤さんも、左足を切断した後に右足に負担がかかり、指や足の裏側まで壊死が進行。このままだとあと1週間後には右足も膝の下まで切断しなければいけない状況でした。佐藤さんはすがる思いで今回の治験に臨んでいました。 (佐藤さん)「もうやれる事は全部やって、それでダメなら切断しかないんだから。やれる事はみんなやってもらおうということで」
手術の3週間後に取り出しバイオシートを傷口へ
去年11月7日、器具を体に埋め込む手術が始まりました。今回は腹部や胸部など3か所に挿入。東田医師によると、高度な技術は必要とせず、切開して中に入れるだけのシンプルな処置だといいます。そして3週間後、器具を取り出す日。無事、体の中でバイオシートができていました。そして取り出したバイオシートをそのまま右足の傷口に貼り付けます。 手術は成功。見守っていた中山さんも一安心です。 (中山さん)「やっと始まったところなので、これからですね」 (東田医師)「なかなか治せなかったような傷も、治せるようになるんじゃないかと」
手術後の経過も良好で、バイオシートを貼り付けてから約1週間後には、装具を付けて歩く練習も始められるようになりました。 (佐藤さん)「びっくりしました。バイオシートって、こんなに早く治るというのは全然わからなかったです。やっぱり左足切ったときは…後悔しましたもん。だから右足は切らずに歩けるというのは嬉しいことです」
表情が明るくなり気持ちも前向きに
今年3月24日、退院した佐藤さんを訪ねました。 (佐藤さん)「(Qもう傷口は閉じていますね?)バイオシートで急速に良くなってきて」 バイオシートを貼り付けてから約4か月。傷口がほぼ閉じていました。最初は治験について半信半疑だったという佐藤さんの息子。傷口の変化だけでなく父の気持ちが大きく変わったと話します。