予期せず「幹細胞」を大量に...世界初!?の再生医療技術を開発「ピカピカ光っていてびっくり」体内で生まれる『赤黒いバイオシート』治験で患者に笑顔が
(中山さん)「白くきれいなものができていると思っていて、その白いのを貼り付けると思っていたんですけれども、いざやってみるとこんなものしかできていなくって。あれ、どうしようと思って」 できたのは白ではなく赤黒い塊。予想外の結果に中山さんは失敗を確信しました。しかし、大きな研究所を辞めて開発を進めてきた中山さん。ここで諦めるわけにはいきません。研究を進めると、赤黒い塊の中に幹細胞や周りを活性化させる物質が大量に集まっていることがわかったのです。 (中山さん)「見てみたら(幹細胞が)ピカピカ光っていたんでびっくりしましたけれども。いや本当にそんなに入ってるとは思わなかったですね」 予期せず貴重な幹細胞を大量に集めることができて、赤黒いバイオシートが誕生しました。
治験スタート「やれる事は、やってもらおう」すがる思いで臨む参加者
去年末から治療の効果を確かめるため本格的な治験がスタートしました。40年前から糖尿病を患う佐藤智幸さん(71)。佐藤さんは20代~30代のころはトラックのドライバーでした。早くに妻を亡くしたこともあり、子ども3人を育てるために仕事を掛け持ちしながら働いていた時期もあったと言います。 (佐藤さん)「どうしても生活が不規則になって、夜に食べたり甘いジュースを飲んだりしたのが1番悪かった」 当時の体重は100kgを超えていて、33歳のころに糖尿病と診断されました。そして2022年の夏に合併症を引き起こし、左足の膝から下を切断しました。今回、佐藤さんの治験を担当した横浜総合病院・心臓血管外科の東田隆治医師は、合併症の恐ろしさをこう語ります。 (東田医師)「糖尿病の一番怖いのは合併症なんですね。そのうちの神経障害によって、足の感覚が鈍くなるということが起こると、例えば足に傷ができやすくなったりとか、傷ができていてもわからない。それに加えて動脈硬化が進むので、足の血流が悪くなると、また傷ができて壊死してしまう」