ザ・ビートルズ4人の“親密さ・仲間意識・信頼関係”を見られる幸運 新作ドキュメンタリー「ビートルズ‘64」制作陣が語る
ザ・ビートルズ(THE BEATLES)の完全新作ドキュメンタリー「ビートルズ‘64」が11月29日(金)より配信開始。公開に際し、本作のプロデューサーであるマーガレット・ボッデと、監督を務めたデヴィッド・テデスキが、制作秘話やポール・マッカートニー、リンゴ・スターとの印象的なエピソードなどを語った。 【写真】貴重!どこか初々しい当時のザ・ビートルズの“自然な姿”を堪能 ■ザ・ビートルズの訪米から60周年 1964年2月7日、ザ・ビートルズのメンバーらは未曾有の熱狂と歓迎に包まれ、初めて米ニューヨーク・ケネディ空港に降り立った。 それから60年、本作「ビートルズ‘64」は、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターがかつてないほどの名声を手にするまでの日々をとらえ、舞台裏により深く切り込んだ完全新作のドキュメンタリー。 音楽業界の分岐点ともいえる彼らの活躍と栄光に焦点を当てながらも、新しく撮影されたザ・ビートルズに情熱を捧げたファンへのインタビューを交え、彼らが作った「時代」を解き明かしていく。 プロデューサーを務めるのは、マーティン・スコセッシ。さらに、ポールとリンゴ、さらにジョージの妻であるオリヴィア・ハリスン、ジョンの息子であるショーン・オノ・レノンもプロデューサーとして名を連ねる。 また本作の映像は、アメリカン・ドキュメンタリーの金字塔「セールスマン」などで知られるアルバート&デイヴィッド・メイズルズ兄弟によって撮影された貴重な映像をもとに、「ザ・ビートルズ: Get Back」(2021年)の修復も手掛けたニュージーランドのパーク・ロード・ポストによって4Kで美しく復元された。 「ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」(2011年)で編集を務めたデヴィッド・テデスキが、本作では監督を務める。 ■ザ・ビートルズの“ライブのような音”が楽しめる マーガレットは本作が生まれたきっかけについて、「マーティン・スコセッシは『ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』というジョージ・ハリスンについての映画を監督していて、デヴィッドはそれを編集し、私はプロデューサーの一人でした。ですので、私たちはオリヴィア・ハリスンのことをとてもよく知るようになりました」と語る。 そして「―マテリアル・ワールド」の制作を進める中でアップルの人たちと関係を深め、ザ・ビートルズに関する膨大な映像が存在することを知り、映像や音響の修復を進めるうちにアメリカ初上陸から60周年という節目の年である2024年に公開することになったそう。 また、デヴィッドは本作の特長について「特に音楽に関して。ボストン・コロシアムのコンサートは以前にも見たことはあります。ですが、このような形で見られるのは初めてなんです。サウンドは本当に素晴らしいです。ジャイルズ・マーティン(ジョージ・マーティンの息子)がそのトラック(曲)をプロデュースしたんです。本当にライブのビートルズ・トラックのような音なんです」と熱くコメント。 ■ザ・ビートルズ4人の“親密さ・仲間意識・信頼関係”を見られる幸運 マーガレットは制作秘話として、映像が撮影されていた当時、ザ・ビートルズのメンバーたちは撮影陣を“無視”するように言われていたと明かす。それは、ビートルズの素顔を映すためだそう。「ビートルズの4人が持っているこのような親密さ、自然な仲間意識、信頼関係を見ることができてラッキーだと思います」と自然体な彼らの姿を見られることの貴重さを語る。 さらに、本作制作中のリンゴとの印象的なやり取りとしてデヴィッドは、リンゴが“いつもバンドの近くにいたかったんだ”“何か問題が起きたら、みんながドラマーを見るんだ”と語っていたことだと言う。 最後にマーガレットはポールとの思い出として、ポール自身がUSツアーで撮影した写真をまとめた個展にポールと共に訪れ「抱きしめたい」の手書きの歌詞が展示されたケースに目を向けたときだと話す。 「私は、彼がそれを走り書きしたんだと思いました。(その手書きの歌詞から)彼の頭から流れ出てきたその歌詞のエネルギーを今でも感じることができるんです。彼がそこにいるのはとても感動的でした。このアーティファクト(歴史的価値のある工芸品)は、神聖な文書のようなものなんです」と語り、インタビューは終了した。 「ビートルズ‘64」はディズニープラス「スター」で11月29日(金)より独占配信開始。