地域住民もビジターチームも利用できる・・・ライオンズが整形外科クリニックを開院した事情
■ケガからの回復をデータによって計測 報道陣向けの内見会には源田壮亮、増田達至などの主力選手も姿を見せた。 2階のアスリートリハビリスペースで、源田は「フォースプレート」という計測機器を使っていた。これは床に埋め込んだ圧力センサーと2台のカメラで撮影した映像を組み合わせることで選手のパフォーマンスを計測するというものだ。ジャンプをしたり、バットを振ることでさまざまな動きの動作解析ができる。 また増田は、下半身の筋力、スピード、パワーなどを計測できる「レッグプレス」という機器を使っていた。
こうした機器は、ケガからの回復途上にある選手が、どの程度回復しているかをオンタイムで、データによって計測できる。また、ケガ、故障をしていない選手でも、データを計測して自身のパフォーマンスをチェックすることができる。 この施設は、選手のフィジカル面を幅広くサポートする「バックヤード」でもあるのだろう。 源田壮亮は「ここを利用する機会がないことが一番いいことだと思いますが、こういう環境ができたので、選手にとっては、より思い切ってプレーできますし、すごく安心感が増しました。最先端の機器は、トレーニングにも活用できるところは活用したいです」と語った。
球団担当者は、この施設の意義を次のように説明する。 「昨年から帝京大学スポーツ医科学センター所属のドクターや理学療法士などの一流の医療スタッフが、選手の診断からリハビリトレーニングの復帰、ケガの予防まで一貫したプログラムでサポートする体制が実現したのですが、今年はさらにクリニックを球場が見える隣接した場所に構えました。 これまでは試合中などにケガが発生した場合、都内の病院に選手たちを搬送していましたが、今年からは程度によってはこのクリニックで診察、処置をすることが可能になります。また、ケガの状態をこのクリニックで診断機材を使って知ることができるので、病院に搬送するにしても的確な判断ができます。