「どう死ぬか」ホームホスピス、笑って過ごすもうひとつの家
最後の10年をどう過ごすのか
内閣府が行った高齢者の健康に関する調査(平成24年度)によると、「身体の自由が利かなくなり介護が必要になった場合どこで過ごしたいか」の回答で、最も多かったのは「自宅」(34.9%)。次いで「病院などの医療機関」(20.0%)、「特別養護老人ホーム(特養)」(19.2%)、「介護老人保健施設(老健)」(11.8%)となった。 寿命と健康寿命(日常生活に制限の無い期間)との差、つまり何らかの不自由を感じながら暮らす期間は、平均で約10年といわれている。どこでどのように最期を迎えるかは、自分だけではなく、家族を巻き込む問題だ。そこにはどんな「最後を過ごしたい」があるのか。死に場所が不足する社会で本当に求められているのは単なる「死に場」ではない。「自分らしい死に方の出来る場」だ。 全国ホームホスピス協会理事の松本京子さんは「完治が見込めないなら、残りの時間を家で過ごす選択肢もある。今は病院で治療を受けながら亡くなることが当たり前になっている。もっと日々の生活に目を向けたサポートが必要」と話す。 ホームホスピスは、本人と家族が死と向き合いつつ暮らせる場所だ。自分らしい看取りに向けた、新しい選択肢になりつつある。
この記事は、復興庁の「新しい東北」情報発信事業として、日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)が実施した東北ローカルジャーナリスト育成事業の受講者による作品です。執筆:黒川夕紀
黒川夕紀