落下前に発見された小惑星「2024 BX1」は珍しい「オーブライト」タイプの隕石と判明
■隕石はオーブライトの起源天体「エゲル」の謎を解くカギになる?
2024 BX1由来の隕石と思われる破片の分析結果は、2024年2月2日に国際隕石学会に申請されました。もしも正式に認められれば、隕石として登録されると同時に、通常は落下場所に因んだ固有名が与えられます。また、2008 TC3(アルマハータ・シッタ隕石)、2018 LA(モトピ・パン隕石)、2023 CX1(サン・ピエール・ル・ビジェ隕石)に次いで、落下が予測された小惑星の破片が隕石として採集されたものとしては史上4例目の出来事となります。 今回の発見は、珍しいオーブライトであるという点だけでも注目されますが、2024 BX1に由来すると確定すれば、より重要な発見となります。小惑星として発見された2024 BX1は公転軌道が精度よく測定されており、火球の落下方向や角度から推定する場合と比べてその起源をより精度良く推定できることとなります。 過去の研究から、オーブライトは3103番小惑星「エゲル(Eger)」に由来する可能性が有力視されています(全くの偶然ですが、エゲルと2024 BX1は共にハンガリーのピスケーシュテテー山観測所で初めて観測・発見されています)。エゲルと2024 BX1は、共にアポロ群と呼ばれる同じ公転軌道のグループに属するため、エゲルから分離した破片の1つが2024 BX1であるかもしれません。これが事実であるかどうかを確定するには、さらなる研究が必要となります。 今後の詳しい分析研究によって、オーブライトやエゲルの詳しい性質や起源が明らかになるかもしれません。 Source Rebecca McDonald. “Asteroid that impacted near Berlin identified as a rare Aubrite”. (SETI Institute) “2024 BX1”. (Minor Planet Center) M. Martin. “Report 423r”. (International Meteor Organization) “Denis Vida氏のX (旧Twitter) でのポスト” Michael J. Gaffey, Kevin L. Reed & Michael S. Kelley. “Relationship of E-type Apollo asteroid 3103 (1982 BB) to the enstatite achondrite meteorites and the Hungaria asteroids”. (Icarus)