静岡放送

1966年、静岡県旧清水市（現静岡市清水区）で一家4人が殺害された事件で、一度は死刑が確定しながら、その後、無罪が確定した袴田巖さん（88）が10月25日、自宅のある浜松市内で、衆議院議員選挙の期日前投票を行いました。袴田さんは、自身の無罪が確定したことで、実に44年ぶりに選挙権が復活していました。 【写真を見る】袴田巖さんが衆議院議員総選挙で一票投じる「選挙権は社会へ戻る第一歩」44年ぶりに復活 最高裁裁判官の国民審査も【速報】 袴田さんは25日午後3時頃、姉のひで子さん（91）や支援者とともに、浜松市役所を訪れました。投票に訪れた他の市民と一緒に行列に並ぶと、2日後に投開票を控える衆議院選挙と最高裁判所裁判官国民審査の期日前投票を済ませました。 袴田さんには、死刑が確定した1980年から公職選挙法に基づき、44年にわたって選挙権がありませんでしたが、10月9日に無罪が確定したことから、選挙権が復活、同月16日に袴田さんのもとに衆議院議員選挙の投票入場券が届きました。 投票を終えた姉のひで子さんは「（巖さんには）『なんでもいいから書け』と言ったら、候補者の名前を書いた。（投票に行くことで）死刑囚じゃなくなったと（本人に）認識させる。そういうことが社会へ戻る第一歩。選挙権は大きなことだから第一歩だと思っている」と語りました。