急転開幕戦中止で2戦、3戦も開催暗雲…渋野日向子はいつ開幕を迎えられるのか? 東京五輪出場争いへの影響は?
女子ゴルフの国内ツアー今季開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」(沖縄・琉球GC)の主催者と日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)は28日、3月5日から4日間の日程で行われる予定だった大会の中止を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けての措置だが、当初、19日にはプロアマ大会、前夜祭を中止し、ツアー史上初めて大会の全日程を無観客として実施すると発表していた。だが、その9日後に急転、さらに踏み込んだ決断となった。 26日に安倍首相が「多数の方が集まる全国的なスポーツや文化イベントについて、今後2週間は中止や延期、規模縮小の対応を要請する」と表明したことを受けての対応である。JLPGAの小林浩美会長は「このような中止は協会にとっても、選手にとっても断腸の思い」などとコメントし、無念さをにじませた。 小林会長は、開催を強く望んでいたが、27日までに行った主催者側とのトップ会談で中止の決定を「断腸の思い」で了承したという。 開幕を翌週に控え出場選手の多くがすでに沖縄に入り、会場の琉球GCで練習ラウンドを消化していた。出場を予定していた2月の米ツアー、ホンダLPGA(タイ)とHSBC女子世界選手権(シンガポール)が中止になり開幕戦が流れた東京五輪の有力代表候補の渋野日向子(21、サントリー)も、今大会に出場予定で29日には沖縄に入る予定だったが、突然の中止で、マネジメント会社を通じて「開幕戦が中止となり非常に残念ですが、トーナメントの再開に備えてしっかり調整していきたい」との談話を出した。渋野ら選手たちが待ち望む今季のツアーがいつ開幕するかはまったく不透明となっている。 中止の余波は開幕戦だけに止まらない。開幕2戦目の「明治安田生命レディスヨコハマタイヤ」(3月13日から15日、高知・土佐CC)も中止が濃厚で、3月2日にも結論が発表される。 関係者によると、当初は、無観客試合での開催を行う予定で、26日に発表予定だった。しかし、その前日の25日にJリーグが3月15日までのすべての公式戦の延期を発表したことで、急きょ発表は取りやめになった。というのも、この大会は今年から勝みなみ(21)が所属する明治安田生命が冠スポンサーとなったが、Jリーグのタイトルパートナーでもある同社の中から「サッカーは延期したのに、ゴルフはやるのか」という声が上がり、中止の方向で再度協議に入ったという。さらに、前述したように26日には安倍首相が、大規模イベントの2週間の自粛を要請し27日には全国の小中高の一斉休校を要請。2日連続の唐突すぎる首相の表明に、ゴルフだけでなく、スポーツ界全体が自粛の流れに傾いた。