「計画変更を何度も」 100万マイルGetを目指す「弾丸世界一周旅」の顛末 予想外のトラブル続出でもリカバリーに奮闘
再度、航空券の手配と検索に追われ、結局ジャカルタ空港近くのホテルで寝られたのは3時間。もはや、時差ぼけすら感じられないほどの睡眠不足である。 空港ではつねに次のフライトの手配や状況の把握などに追われ、落ち着けるのはネットがつながらない機内のみという状態が続いた。 ■苦労しても挑戦するモチベーションとは 結局、アジア内はベトナム航空とケニア航空以外すべて組み直しという大工事となった。一部はキャンセルできたが、それでも追加の出費は20万円以上におよぶだろう。
だが、15社で100万マイルもらえるこのキャンペーン。1社でも欠けると10社以上で10万マイルと、ボーナスが10分の1となってしまう。こうなると、意地でも15社乗るしかない。15社搭乗達成したという、他の旅行者の報告も焦燥感を煽った。 トラブルのあったジャカルタからは、クアラルンプール→ホーチミンシティ→バンコク→台北→厦門→バンコクと飛び、バンコクから広州へはケニア航空に乗る。 このケニア航空の以遠権フライト(経由地から目的地まで、第三国間で旅客を輸送するフライト)であるバンコクー広州路線は、今回のキャンペーンに参加した多くの旅行者が利用していた。
筆者が乗ったときにも、キャンペーン目的とおぼしき人が数十人は乗っていた。日本人やアメリカ人の参加者と情報交換したが、やはり共通の関心はディレイとマイルの加算である。このような“同好の士”との出会いもそのモチベーションを強固なものとした。 では、このキャンペーンに参加している人はどのくらいの人数になるのだろうか。Xで参加を明らかにしている人だけで数十名。そのほか、筆者の知人だけで10名近く参加していることから推察すれば、日本人だけで100名以上は参加しているのではないだろうか。世界全体なら数千人に及ぶだろう。
バンコク発のケニア航空は8時間遅れの午前2時半、広州に到着した。次に搭乗する中国東方航空の寧波行きは朝7時半発。ホテルに行くには時間が短すぎる。 結局ターミナルにあるマッサージチェアの隙間で仮眠をとることになった。空港の床で寝る歳でないことは分かっているが、背に腹は代えられない。 寧波から杭州までは中国の新幹線で移動。今はTrip.comのサイトで直前でも予約ができる。かつての中国の鉄道といえば、長蛇の列で並んだ後に「没有」(ない)と無慈悲に言われるのが定番だった。その頃を知る世代としては、感慨深い。